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「じゃおおおおおおん!!」 怪獣のような雄たけびが森に響く。 声の主はゆっくりめーりん。知能はあまり無いが、皮が分厚く耐久力は凄まじく高いゆっくりだ。 そして今のようなじゃおおおんという言葉(?)しか話せないため他のゆっくりから苛められる存在である。 「じゃおおおおおん!」 再び声を上げるめーりん。良く聞けばその声は悲しみの色を含んでいることがわかる。 そう、このめーりんも他のゆっくりに苛められている真っ最中なのだ。 彼女を取り囲むのはゆっくりれいむとまりさ、そしてありすだった。 れいむ達三匹はこの辺りでは誰も適うゆっくりがいないほど力の強いゆっくりだ。それ故いつも好き放題している。 めーりんの後ろには大きな木が道を塞いでおり、逃げ場はない。 特に珍しくもない光景である。 「ゆっ! やっぱりめーりんをいじめるのはたのしいね!」 「『じゃおおおおん』だって! いつきいてもへんななきごえだね!」 「いなかもののめーりんはとかいはのわたしたちにあそんでもらえるだけでもかんしゃすることね!」 それぞれ好き勝手なことを言い、めーりんに体当たりしたり石を投げたりしている。 皮の厚さのおかげで致命傷には程遠いものの、めーりんの体はボロボロだ。 その目には涙が浮かんでいる。 何故自分はいつも苛められるのだろう。何もしていないのに、ただゆっくりしているだけなのに。 「じゃ…じゃおおおん!」 「ゆっ! こいつないてるよ! きもちわるいね!」 「めーりんのくせになまいきだね!」 再び石をぶつけようとれいむ達は近くにあった手頃なそれを口に銜える。 めーりんは襲い来るであろう痛みへの恐怖から思わず目を閉じた。 そして。 「待ていッ!!」 耳をつんざくような自分たち以外の大きな声。突然聞こえたそれに四匹は動揺する。 だが辺りを見回してもこの周辺には自分たちしかいない。 「ゆっ!? だれなの!」 「かくれてないででてきなさい! このいなかもの!」 だがそんなれいむ達の言葉を無視して謎の声は続ける。 「愚かなるゆっくりどもよ…、森の声を聞け! 風の声を聞け! 弱き者を虐める貴様らの心を嘲笑っているぞ!」 そして大きな影がめーりんを守るように三匹の前に天から舞い降りた。正確には木の上から飛び降りてきた、のだが。 現われたのは妙な姿をした生き物だった。いや、形を見れば人間だとわかる。それは間違いない。 だがそれは顔に変な――少なくともゆっくり達はそう思った――顔の上半分を覆う仮面を被り、大きなマントをはおっているが背負っている籠のせいでマントは風になびかずにいる。 そしてその肩には小さなゆっくりぱちゅりーがちょこんと乗っていた。 呆然とする四匹を気にせず、突然現れたそれは声高々に名乗りを上げた。 「ゆっくり仮面! ただいま参上!」 「むきゅ。説明しよう、ゆっくり仮面は弱きを助け強きを挫く正義のヒーローである」 バーン、と決めポーズをとるゆっくり仮面(自称)と解説役のぱちゅりー。 相変わらずゆっくり四匹は呆気にとられたまま声も出せない。 そんなゆっくり達を無視してゆっくり仮面は続ける。 「哀れなるゆっくり共よ、貴様らのそのゆっくりできぬ腐った根性、叩き直してくれよう!」 今までの出来事を処理できず、フリーズしていた餡子脳がここで再び動き出す。 とりあえず目の前の変な格好をした人間が何物かはわからないが自分達が馬鹿にされたことはわかる。 そういうことには敏感に反応する餡子脳であった。 「ゆっ! よくわからないけど、れいむたちをばかにするおじさんはゆっくりしんでね!」 「そうだね! ゆっくりしね!」 「きっといなかもののばかだからありすたちのおそろしさをしらないのよ!」 次々と罵倒を浴びせる三匹。だがゆっくり仮面はどこ吹く風、腕組みをして余裕しゃくしゃくだ。 「ふはははは、やはり臆病な悪党だな。私が恐ろしくて言葉でしか攻撃できないのだろう!」 見え見えの挑発。だが単純な餡子脳には効果は抜群だった。 そんな態度にゆっくり達が怒り始める。 「ゆぅぅ! もうおこったよ! おじさんはゆっくりしね!」 と、まりさがゆっくり仮面に突撃する。 勢いよくゆっくり仮面の足元へと体当たりするまりさ。しかしそこは人間とゆっくり、圧倒的な力の差は崩せない。 自分の攻撃が全くダメージを与えられていないことにさらに憤るまりさ。 何度も何度も体当たりをするが、ゆっくり仮面は全然動じない。 どれぐらい繰り返しただろうか、まりさの顔に疲れが見え始めた。 「まりさ! がんばって! もうすぐやっつけれるよ!」 「とかいはのまりさのこうげきをうけてへいきなわけないわ! あいてはやせがまんしてるだけよ!」 本気でそう信じ切っている友達の声援を受け、まりさは自分の体から元気が溢れ出てくるのを感じた。 そうだ、攻撃が効いてないわけない。もう一息だ。 まりさはそう信じ、全速力でゆっくり仮面に向かって突進する。 「ふむ。いいか、悪のゆっくりよ。攻撃とはこういうものだ…ゆっくりキックは破壊力!」 と、ゆっくり仮面は勢いよく突っ込んできたまりさの顔面に蹴りをぶしかました。 「ゆ゛ぶう゛ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!??」 綺麗な放物線を描いて飛んでいくまりさ。しばらく飛び、その延長線上にあった木にぶつかって地面に落ちる。 仰向けに倒れたまりさの口からは餡子が漏れ出していた。 白目を剥いているが、体はピクピクと痙攣しているので気絶しているだけだろう。 「ま゛り゛ざあ゛あぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「どうしでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??」 さっきまではにやにや笑っていた二匹が泣きながらまりさに駆け寄る。 二匹が何度も呼びかけるがまりさの意識が戻る気配はない。 「ゆ゛うぅぅ!! ありす! まりさをみててあげてね! れいむがかたきをとってくるよ!」 「きをつけてね! あいつ、いなかものだけどあなどれないわ!」 れいむは振り返り、ゆっくり仮面を睨みつける。絶対に許さない、と。 そしてれいむは駆ける。友のため、そして貶された自分のプライドのため、あの人間を倒すと心に決めて。 勢いよく走るれいむがある地点でジャンプした。 足は危険と判断したのだろう、上半身に攻撃するための全力での跳躍。 「ゆっくりしんでね!」 「今のを見てもまだ力の差が理解できぬか…。所詮は脳なしの腐れ饅頭だな」 再び馬鹿にされ、鬼のような顔で怒るれいむ。 だがそんな悪口を言えるのもここまでだ、自分の全力の体当たりでゆっくりしね!と彼女が思った瞬間。 「ゆっくりチョップはパンチ力!」 「ゆ゛べっ!」 垂直に手刀を放つゆっくり仮面。それは迫ってくるれいむの脳天に直撃した。 べちゃっ、という音と共に顔面から地面に叩きつけられるれいむ。 皮が破れ、少量の餡子が飛び出したが命に関わるほどではないようだ。 まりさと同じく気絶しているだけであろう。 「ああ゛…ああ゛あ゛゛あ…」 ありすは恐怖した。まさかあの二人がやられるなんて。 そんなありすにゆっくり仮面ははゆっくりと近づいていく。 ありすの前で立ち止まり、自称正義のヒーローは静かに問う。 「さて、どうする? 君も私と戦ってみるかね?」 そんな選択肢はありすには無かった。三人の中で一番弱い自分が適うはずはない。 ではどうするか。 逃げる? そんなこと出来る筈がない。 他のゆっくりならまだしも、れいむとまりさは幼い頃からずっと一緒に育ってきた親友だった。 そんな二人を見捨てて逃げるくらいなら死んだ方がマシだ。 ならば――。 「お゛じざん、ごめんなざいぃぃぃぃぃ。あり゛ずがわるがっだでずぅぅぅぅぅぅ!!」 ありすは泣いて謝った。 こうやって反省したふりをすれば許してくれるかも知れないと考えたから。 以前三匹が人間の畑を荒らした時も、泣いて謝ったら許してもらえたという経験があったからこその判断。 もっとも、その畑の主が虐待お兄さんではなく善良なおじさんだったからなのだが。 都会派の自分としては情けないが命には代えられない、とありすは思う。 「ふむ、なるほど。君は反省しているわけだね?」 「そうですぅぅぅぅぅ!! も゛うこれがらはめ゛ーりんをい゛じめたりじまぜんんんんんん!!」 「うん、それはいい心がけだね」 ゆっくり仮面の露出した口元が微笑む。それを見てありすは心の中でほくそ笑んだ。 ほら、やっぱり人間は馬鹿だ。簡単に騙される。 とりあえずこの田舎者がどこかに行ったられいむとまりさの手当てをしよう。 めーりん苛めだってやめるものか。今日の腹いせに今度は思いっきり三人で苛めてやる。 そんな事をありすが考えていると、急に頭を掴まれた。 ゆっくり仮面は右手でありすを持ち上げ、一気に力を加える。 「い゛い゛いだぁぁぁぁい゛!! どうじででぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 突然の痛みに戸惑うありす。この馬鹿な人間は許してくれたはずなのに。 さらにゆっくり仮面は掴む力を上げ、指がありすの皮に食い込んだ。 演技ではなく本気で顔を歪めるありす。そのとかいは(笑)の顔は涙や鼻水でぐしょぐしょになっている。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あぁぁぁぁ!!! あ゛り゛ずのあ゛だま゛がぁぁぁぁぁぁ!! い゛だい゛ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「反省した? 馬鹿を言っちゃいけない。貴様らのようなゆっくりがこの程度で反省するわけがなかろう」 「あ゛あ゛あ゛あぁぁぁ!! ぼんどうでずぅぅ!! だがらゆるじでぇぇぇぇぇぇ!!!」 ゆっくり仮面はそのまま左手で気絶しているまりさを掴んだ。 元の場所へと戻り、置いていた籠に二匹を詰め込む。 さらにその上からこれまた気絶しているれいむを押し込んだ。 「とかいはのありすはこんなところじゃゆっくりできないわ!」 もう元気を取り戻したのか、抗議してくるありすを無視してゆっくり仮面は未だ状況が理解できていないめーりんに近づいた。 ビクッ、とその体をめーりんは震わす。もしかしたら自分も酷いことをされるのかもしれない。 ゆっくり仮面はめーりんの前でしゃがみ、手を大きく振り上げ…めーりんの頭を優しく撫でた。それと同時に肩に乗っていたちびぱちゅりーが地面に飛び降り、めーりんを周りから観察し始める。 「じゃ…じゃおおおん?」 最初は怯えていためーりんだが、相手が自分に危害を加える気がないとわかると笑顔が浮かぶ。 そしてゆっくりと理解した。この人は自分を助けてくれたのだということを。 無邪気に笑うめーりんにつられてゆっくり仮面も微笑む。 それは先程のありすのときに見せた作り笑いなどではなく、心の底から湧き出た本物の優しい笑みだった。 「ぱちぇ、めーりん君の様子はどうだ?」 「問題ないわ、皮の表面が破れてるだけ。命に別状はないわ」 てきぱきと動くちびぱちゅりーの言葉にゆっくり仮面は安堵の息を吐く。 この解説役兼マスコットのちびぱちゅりーは知識が豊富でゆっくりに関する医術も少々心得ていた。 と言ってもゆっくりは食べ物なので医術もクソもこれといってないのだが。 「よし、ではこれを使おう」 と、ゆっくり仮面はポケットからあるものを取り出した。 「むきゅ。説明しよう、これは『ゆっくり傷薬』。その名の通り、傷ついたゆっくりを癒すゆっくり仮面七つ道具の一つである」 ちびぱちゅりーの解説に頷きながら、ゆっくり仮面は傷薬をめーりんの患部に塗っていく。 傷口がしみるのか最初は嫌がっていためーりんだが、次第にゆっくりし始めた。 この傷薬から発せられる匂いにはゆっくりを落ち着かせる効果もあるのだ。 「ちなみに加工場製の税込315円よ」 「余計な事は言わんでよろしい」 薬を塗り終え、ゆっくり仮面は立ち上がる。 「よし、ではそろそろ行くか」 ありすの喚き声が聞こえる籠を背負い、ちびぱちゅりーを肩に乗せる。 ちびぱちゅりーがちゃんと捕まっているのを確認したゆっくり仮面は再びしゃがみ、めーりんの頭を右手で優しく包んだ。 「めーりん君、これからも辛いことがあるかもしれない。だがそんな時は今日のことを思い出してほしい。君は一人じゃない、君にはこのゆっくり仮面がついている。 それに私だけではない、他の人もきっと助けてくれるだろう。だからいつでも笑っていてくれ。 なぜなら、正義とは常にポジティブなものなのだから!」 グッ!と左手の親指を立てるゆっくり仮面。その口元から覗く白い歯がキラーンと光った。 ゆっくりめーりんはまるで子供のような、きらきらと輝く純粋な瞳でそれを見ている。 「ではさらばだ! ふははははははは!」 鬱陶しいほど声高らかな笑い声を残してゆっくり仮面は去って行った。 「じゃおおおおおおおおん♪ じゃおおおおおおおおん♪」 遠くなっていく背中にめーりんは叫び続ける。 言葉の意味はわからなかったがその声には確かに喜びと感謝が強く含まれていた。 今日もか弱きゆっくりを助けたゆっくり仮面。次はどこへとゆくのだろうか。 明日は明日の風が吹く。弱きを助け強きを挫く正義のヒーロー、お呼びとあらば即参上! ありがとう!ぼくらのゆっくり仮面! つよいぞ!ぼくらのゆっくり仮面! 所変わって先ほどの森から少し離れたところにある何の変哲もない家。 静けさに包まれていたこの場所に主が戻ってきた。 「ただいまー」 「むきゅ、ただいま」 家に入ってきたのはゆっくり仮面とちびぱちゅりー。そう、ここが彼らの自宅だった。 ゆっくり仮面は背負っていた籠を床に置き、マントを脱ぐ。 「ふぅー、今日も楽しかったぜ」 そう言いながら顔に付けていた仮面を外すゆっくり仮面。 その下から現れたのは特にこれといった特徴のない爽やかな青年だった。 「むきゅ、お疲れ様。何だか今日は一段とテンション高かったわね」 ちびぱちゅりーが青年の肩から近くのテーブルに飛び移る。 彼女は普通のゆっくりとは違う、加工場生まれのゆっくりだった。 体は小さいが中の餡子はよく詰まっており、いわゆる知能強化型のゆっくりだ。だから台詞にも漢字が使えたりする。 一人暮らしが寂しかった青年が話し相手として加工場から購入したもので、今では二人は強い信頼で結ばれた相棒となっている。 「ふふっ、どうしてかは知らないけど気分が高まってね。木から飛び降りた時に脳内で何か分泌されたのかもしれない」 「別にいいけど、あまり無茶はしないでね」 和気あいあいと和む二人の耳に籠に詰められたゆっくりありすの声が聞こえた。 「ちょっと! さっさとだしなさいよね! とかいはのありすにこんなことしていいとおもってるの!?」 「ああ、忘れてた」 「お兄さん、こいつらも『お仕置き』するの?」 ちびぱちゅりーが聞く。 これまで捕えてきた悪のゆっくりは青年が『お仕置き』してその腐った性格を治しているのだ。 正義のヒーローとして悪を捕まえ、それを『お仕置き』によって更生させる。 それがお兄さんの趣味だった。ちびぱちゅりーも何だかんだで楽しんでいる。 「当然だ。ぱちぇも知っているように、俺は一方的な『弱い者いじめ』をする奴が大嫌いなんだ」 その言葉を聞いてちびぱちゅりーは溜息を吐いた。 が、それは別に不快感から来ているわけではなく、元気な子供に手を焼く母親のような印象を受ける。 「やっぱりあんたいい性格してるわ」 「おいおい、照れるじゃないか」 「むきゅー、褒めてないわよ」 ははははは、と二人の楽しげな笑い声が家の中に響く。 お兄さんとちびぱちゅりー、二人の妙な趣味はこれからも続く。続くったら続く。 おしまい このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/3054.html
作者名:天海? 「ゆんゆゆーんゆーんゆ、ゆんゆんゆー♪」 とてもゆっくりできる歌(おとなりのまりさ 談)を歌いながら、野原を跳ね進んでいる不思議なお饅頭……その名は ゆっくりれいむ。 れいむは初めてのソロ冬籠りから見事生還し、群れのみんなから大人のゆっくりとして認められたばかりである。 前途ゆんゆんでバラ色のゆん生を歩むれいむは、春の陽気につられたこともあり、ゆんゆん気分で野原を闊歩しているのである。 このれいむ、別段力が強いわけでもなく、知識が豊富なわけでもない。しかし、何故か頭の回転は早かったのである。 餌を探しに行くにも、捕食種のいそうな場所は極力避け、必要な分だけを確保し無駄に食糧を食い付くすこともなかった。 巣を探すにしても、他のゆっくりの目が届かないような、それでいて積雪にも負けないであろう、頑丈な巣を見つけ出した。 人里に侵入するにしても、人間の仕掛けた罠を次々と見破り、畑の野菜を確保して戻っていった。 れいむは ゆっくりとしてはサバイバビリティが高いゆっくりだったのである。 れいむはこれから続いていくであろう、とてもゆっくりできる日々を夢見ながら、ゆっくりと野原を跳ねて行くのであった。 あてもなく散歩を続けていると、れいむの視界には不思議な光景が入ってきた。 ゆっくり達が畑の前にずらっと並んでいるのである。それはまるで畑のバリケードのように。 ゆっくり達が集まっている=何か良いことがありそうだと考えたれいむは、ゆんゆんと畑の方向へ進んでいった。 「ゆっくりしていってね」まずはれいむがご挨拶を済ませる。 「「「ゆ? ゆっくりしていってね。」」」 それまで目を閉じていたゆっくり達が反応し挨拶する。 「ゆゆ? はたけさんのまえでなにしてるの?」 れいむが訊ねると答えは一斉に返ってきた。 「「「ゆ……ゆっくりしてるんだよ。」」」 れいむは考える。 畑の前でずらっと並んで動かずにいるゆっくり達。これのどこがゆっくりしているのだろう。 これはゆっくりしているのではなく、どちらかといえば何もせずにそこにいるだけである。 このゆっくり達は嘘をついている。 何故嘘をつくのか。 ゆっくりが嘘をつく時、それは自らの利益を守るためであることが多い。 きっとこの畑には美味しいお野菜が生えてくるに違いない。 実際に大根の葉と思われる物が畑から生えてきているではないか。 れいむにはその考えに自信を持っていた。今まで自分が間違っていたことなど無いのだ。 だからソロ冬籠りも危なげなく成功したし、群れのみんなに認められるようにもなったのだ。 「ゆゆ! うそつかないでね! れいむにおやさいさんたべさせないきでしょ!?」 れいむは畑のゆっくり達を糾弾する。 畑に生えている野菜は極上の味だし、食べると元気になる。 畑のゆっくり達はそれを独占しようとしているのだ。 人間が独占しようとするのは仕方ないが、同じゆっくりに食べさせないとは何たる事か。 「「「ゆ!? ちがうよ、ゆっくりしてるだけだよ? あと、はたけさんにははいらないでね!」」」 不自然なほどに声をそろえてそう返すゆっくり達。 れいむは更に確信した。このゆっくり達は畑を見張っているのだ。 それからしばらく同じような問答を続けたが、帰ってくる言葉は同じような物ばかり。 曰く、畑にはいるな。曰く、野菜なんて生えてこない。 これに業を煮やしたれいむは畑のゆっくり達を論破してやろうと考えた。 それには畑に生えてる野菜を目の前に証拠品としてつきつけてやるのが一番である。 「ゆぅ~、じゃあかえるよ。ゆっくりしていってね!」 そう言ったれいむに、畑のゆっくり達は安堵した表情を浮かべる。 しかし次の瞬間、れいむは素早く畑の方に振りかえり、短い助走からジャンプして畑のゆっくり達を飛び越えた。 先ほどの言葉はフェイクだったのだ。 畑のゆっくり達は意表をつかれ、れいむの侵入を許してしまったのである。 「「「ゆげぇ!?」」」 悲鳴を上げる畑のゆっくり達。 しかしそれを尻目に、れいむは野菜に向かってダッシュした。 「「「やめてね! ゆっくりしてね!」」」 あきらめの悪い畑のゆっくり達に構うこともなく、 れいむは野菜の生えている場所にたどり着き、葉を引っ張った。 「「「ゆぎぎぃ!? やめてね! とらないでね!」」」 懇願する畑のゆっくり達。 しかしもうれいむは止まらない。 そして無情にも野菜は引き抜かれた。 「「「ゆぎゃああぁぁぁあああぁぁぁあああああ!!!」」」 瞬間、畑のゆっくり達全員から断末魔とも思えるような悲鳴が発せられた。 前後左右から響く大音量サラウンドに、れいむは思わず怯んでしまう。「ゆびぃ!? な、なに?」 しかしれいむはすぐに落ち付き、引きぬいた大根を……大……根…… 引き抜いた葉の先に白くて太くて美味しそうな大根などはついていなかった。 代わりに引き抜いたのは、丸い餡子の塊のような物であった。 そしてその瞬間、れいむは後方からの衝撃に襲われ気を失った。 れいむが目覚めると、そこは畑の前だった。 左右には畑のゆっくり達が並んでいる。 そして目の前には……1人の人間が座っていた。 「お、起きたか。ゆっくりしていってね!」 れいむに語りかける人間。 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 答えるれいむと畑のゆっくり達。 れいむには異変が起きていた。 ゆっくりしていってねの言葉と共に飛び跳ねようとしたのに、体が動かないのだ。 「「「「ゆ? なんだかうごけないよ!?」」」」 なぜ体が動かないのか。 その理由もわからぬまま、れいむはさらなる謎に包まれる。 なぜ畑のゆっくり達はれいむの真似をするのか。 「「「「ゆゆ? まねしないでね!?」」」」 その言葉をも真似され、困惑するれいむ。 「さて……と、畑を耕さないとな。」 そういって鍬を手に立ち上がる人間。その足が畑に踏み入った瞬間…… 体の内側からくるような痛みがれいむを襲い、思わず悲鳴をあげる。 「「「「ゆげぇ!?」」」」 再び、畑では一斉にゆっくり達の悲鳴があがった。 畑のゆっくり達は同じ言葉、同じ感覚、同じ意識、そして同じ餡子を共有していた。 ゆっくり達は背面下部が切り取られ、その餡子は畑に繋がっている。 土のように見えていたのは、糖度の低い餡子であり、大根の葉についていたのはその中枢餡にあたる物であった。 そうなるように人間に改造されてしまったのだ。 人間の進歩とともにゆっくり達にも頭の良い種がでてくるようになった。 トラバサミ等の罠はおろか、餌でつってとりもちに捕まえるゆっくりホイホイ、 餌に似せた毒だんごであるゆっくりコロリ等をも見破り、回避するようになっていた。 結局、ゆっくりの被害はいつまでも続いてきたのである。 しかし、その状況にも対応するのが人間の素晴らしさであり恐ろしさでもある。 今度はゆっくり達が完全に気を許すように、生きているゆっくりその物をトラップとして使用したのだ。 他のゆっくりがいる=ゆっくりにとって安全な場所と考えるのはゆっくりならずとも仕方のないことであり、 この畑型トラップを村の周りに敷くことで、ゆっくり達の侵入を未然に防ぐのである。 畑型トラップに繋がれたゆっくり達には本能でわかっていた。 もう畑から離れることはできないことを。 離れれば中枢餡を失って死んでしまうことを。 新入りであるれいむにも その知識が共有されており、体を動かすことを無意識のうちに拒否していたのである。 そんなゆっくり達の都合も構わず、いや知っているからこそ、人間は鍬で餡子畑を耕し始める。 薪を割るかのように力強く、漁網を引くように力強く。 「「「「ゆぎゃああああ!」」」」 「「「「はたけさんかきまぜないでえええええ」」」」 「「「「あんこいたんじゃううううう!!!」」」」 「「「「まりさだけはたすけてえええ」」」」 「「「「どぼぢでそんなこというのおおおお」」」」 「「「「なんででいぶがこんなめにあうのおおお!?」」」」 「「「「もっとゆっぐりじだがったあああぁぁぁ」」」」 畑型トラップで描かれる、阿鼻叫喚の図。 この後、オレンジジュースと偽り畑に水をやることで、ゆっくり達は死なない程度に回復する。 人間にとって、これはトラップの保持のために必要な作業なのだ。 無論、耕している本人は面白くてやってる風もあるのだが。 れいむは後悔した。 たしかにゆっくり達の言う通り、畑に入ってはいけなかった。 たしかにゆっくり達の言う通り、葉を引きぬいてはいけなかった。 れいむと仲間達はこれから続いていくだろう、とてもゆっくりできない日々を案じながらゆっくりと目を閉じていくのであった。
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現代モノです。子供が遊びの為に何の悪意も無くゆっくりをポイポイと使い捨てていく話です。 ====================================================================== ゆっくりドラッグ 最近男子小学生の間で注射器を使ったゆっくりドラッグが大流行している。 ゆっくりドラッグのもたらす快楽にとりつかれた男子小学生たちはみな注射器を持ち歩きゆっくりの捕獲に熱中した。 最初は誰もゆっくりがこんな快楽をもたらすとは考えてもいなかった。ゆっくりにはこんな使い道もあったのだ。 大人たちもこの大流行は知っていた。母親たちの一部にはこれを由々しき事態ととらえて禁止を訴えるものも居た。 しかし大抵は父親たちがそれをなだめて男子小学生たちのゆっくりドラッグを認めさせていた。父親達は口々に擁護する。 「男の子っていうのはこういう遊びを通じて大人になるんだよ」 「俺らが小さい頃はゆっくりは居なかったが似たような遊びはしてた」 「スリリングだし頭も使うしこれは教育にいい遊びだな」 「とにかくスカッとするよ。お前も一緒にどうだ?」 何がそんなに男たちを惹きつけるのだろうか?それは男子小学生達がゆっくりドラッグをやる様子を見れば一目瞭然である。 ここ湯栗市立南小学校でもゆっくりドラッグは大流行中だ。彼らがゆっくりドラッグをやる様子をちょっと観察してみよう。 「お~い、ゆっくりドラッグやろうぜ!いいの捕まえたんだよ」 『ゆっ!まりささまをどうするきなんだぜ』ぴょんっ ぴょんっ 「お~、イキも良いしジャンプ力あるなぁ。これ胴回りいくつ?」 「45センチだからライト・ミディアム級だな。お前持ってる?」 「いや~50センチだからギリギリでミディアムだわ」 「俺はいいぜ?このまりさならミディアムよりキテる」 「あぁ?俺のれいむなめてんのか?負けたらシッペだかんな!」 「お前が負けてもシッペだぞ!わかってんだろな!」 「おっしゃー!じゃあやるぞ!」 ひとしきり何やらバトルらしきものの前の煽りあいを済ませると少年達はニヤニヤしながらゆっくりを地面に置いて頭を押さえつけた。 『ゆっ!ゆぐっ!やめるんだぜ!』 『ゆっくりはなしてね!ゆっくりはなしてね!』 ゆっくりの文句には耳も貸さず彼らは集中力を高めて前方を見つめていた。 「あの木でいいな?」 「ちょっと遠くねえか?こっちの電信柱にしようよ」 「別に良いよ。じゃあ電信柱までな」 そして二人は左手でゆっくりを押さえつけ、右手に注射器を持ってカウントダウンを始めた 「3!2!1!・・・」 ゆっくりの尻に注射器が刺され、一気にラー油が注入された。 『『ゆぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!!!!!!!』』 ゆっくりが子供達の左手の下で凄まじい痙攣を起こしている。彼らがホイールスピンと呼んでいる現象だ。 「「ゼロ!」」 二人が左手を離すとゆっくりはとてもゆっくりとは思えない凄まじいスピードで電信柱に向かって突進した。 『ゆぎゃぎゃぎゃ!・・・ぎゃぎゃ!・・・ぎゃ!・・・・ごふっ!!!!!!』ゴロゴロゴロ・・・ 『ゆぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!!!!!!!』ぐしゃっ! 最初にリードしたのはれいむだったが突然失速し電信柱の1メートルほど手前で餡子を吐いて絶命してしまった。 絶命したままそこまでの勢いで少し転がったがゴール手前ギリギリ10センチ程で停止。 まりさは物凄い勢いで一気に電信柱に激突しその勢いで破裂して死んでしまった。まりさの勝ちである。 「イェーイ!勝った勝ったー!シッペな。お前シッペ!」 「くそ~、ぜってー勝てると思ったんだけどなぁ・・・」 負けた少年は悔しそうな顔をして腕を出すと勝者からのシッペを受けた。 そう、ゆっくりドラッグとはゆっくりを使ったドラッグレースの事である。 この「ゆぎゃぎゃぎゃぎゃ!」という変わった悲鳴と凄まじい痙攣、そして断末魔の急加速はこの殺し方でないと得られない。 そしてそのスピード感と豪快さが子供達の心を魅了し一気に全国にブームが広がって行った。 子供達はそれぞれの地域ごとに独自のルールを作り、その中でレースを楽しんでいた。 そして子供から大人まで男というものは「高速化のためのカスタマイズ」というものが大好きだ。 この遊びも当然例外ではなくさまざまな工夫がされていた。 「しかしお前のれいむ速かったなぁ。ゴールまで生きてたら俺負けてたぜ。何か改造してるの?」 「してるよ。でも教えてやんない」 「教えてよ~。いやまじあの加速は尊敬した。お前改造の天才だな。」 「ん~?ん~・・・んふふ」 「俺のまりさも速かっただろ?あれ級のジャンプ力ある奴が多い場所見つけたんだよ。そこ教えてやるからさぁ」 「じゃ、じゃあ誰にも言うなよ。俺とお前しか知らないスペシャルカスタムだからな。」 「おう、ぜってーいわねえ!」 口止めの約束を取り付けた少年はポケットから秘密兵器を取り出した。 「これだよ。」 「ね、ねりワサビ・・・?」 「そう。これをラー油に溶かし込むとすげー加速力が増すんだよ。俺はニトロって呼んでる。」 「そっか!考えてみりゃワサビの方がツーンとくるからゆっくりにとっては痛みが強いんだな!」 「多分そうだろね。だから早く死んじゃうんだよ。今回もゴール前に死んじゃったし。」 「あ~、だから最初ゴールを遠い木にしようって言ったのに近い電信柱に変えたのか」 「そう。まだニトロをどれだけ混ぜるのかとか距離によってデータ集めが必要だね」 「んじゃ今からさっき約束した俺の秘密の狩り場でゆっくり沢山捕まえて実験しね?」 「いいね!ただこれチューブもう空っぽだから途中でスーパー寄ってこ。」 「オッケー。じゃあ出発!」 二人は自転車にまたがるとスーパーに向かった。 「調味料売り場・・・調味料売り場っと・・・あ、あった!ここだここだ」 「ハウスとS Bがあるね。どっちがいいんだろ?」 「ん~俺ハウスしか使った事ないな。ニトロのブランドによって加速力違うのかな?」 「ていうかよ、これ!ちょっと気にならね?」 「ハバ・・ネロ?・・・」 「これって確か世界で一番辛い唐辛子だってテレビで言って奴だよ」 「何か凄そうだな。でもこれ粉だから溶けにくくね?」 「良く振れば溶けるでしょ。ワサビとどっちがニトロ効果高いのかなぁ」 「両方とも買ってみてどっちが速いか調べてみようぜ」 「ハウスとS Bはどっちが速いんだろ?」 「ハバネロとワサビ比べてワサビの方が速かったらそれも調べよっか」 「いいね!最強のニトロラー油作ろうぜ!」 「おう!俺たち最強のレーシングチームだぜ!」 「負けねえ!最強!俺ら超はええ!」 「ぎゃはははは!」 男の子の会話というのは子供も大人も大差無いものである。 所変わってここは隣の北小学校の学区。 先ほどの彼らの通う南小学校は公団なども多く比較的低所得なエリアを学区にしてるのに対し、高台の北小学校には裕福な子が多い。 そしてここでもゆっくりドラッグは大流行していた。しかしやはりそこは金持ちの子。レースへのアプローチもかなり違う。 捕まえてきたほぼ同サイズの10数匹のゆっくりがひしめく箱を抱えた子供が帰宅した。 「ただいま~」 『ゆー!おうちかえる!もうおうちかえる!』 『だしてね!ここからゆっくりだしてね!』 『ゆえ~ん、せまいよ~、くるしいよ~』 『ゆっくりできないよ!ゆっくりさせて!』 少年は椅子に登るとアクリル板で囲いを作ったランニングマシーンの上でその箱をさかさまにし、囲いの中にゆっくりを落とした。 『ゆ~!いちゃい!』 そして少年は二つのスイッチを入れた。徐々に動き出すランニングマシーン。 『ゆゆ?ゆかがうごいてるよ』 『ゆっくりできないよ!ゆっくりさせて!』 『ふん!もうつかれたからねるんだぜ』 動き出す床を気にせずフテ寝しようとしたまりさが後ろに達したときバチバチッと閃光が走り一瞬にして丸焦げになってしまった。 『ゆぎゃああああ!!』 『ゆゆゆー!?なにがおこったの!?』 『ゆえ~ん!こわいよ~!』 「見て分かんねえのか?後ろの板には高圧電流が流れてるんだよ。ゆっくりしてたら死ぬぞ」 『ゆぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!』 『だずげでぇぇぇぇ!!!じにだぐないぃぃぃぃぃ!!!』 のろのろと這っていたゆっくりたちは力の限りぴょんぴょんと跳ねだした。それを見て少年はマシンの速度を上げた。 『どぼじでごんなごどずるのぉぉぉぉぉ!!!!!』 『づがれだああぁぁぁぁ!!!ゆっぐりじだいぃぃぃぃ!!!』 『おうぢがえるぅぅぅ!!!おうぢがえるぅぅぅ!!!』 『も・・・もう・・ハァハァ・・・づがれだ・・・づがれ・・・ゆぎゃあああ!』バチバチッ 『ゆっぐり・・・ざぜで・・・ゆっぐり・・・・ハァハァ・・じだ・・ゆぎゃあああああ!!!』バチバチバチッ 基礎体力の無いものは最初の10分の定速運動で振り落とされた。ランニングマシンの後端にススがカサカサと動いている。 ここからがセレクションの本番である。ドラッグレースに必要なのは何よりもスピード。少年はグイグイ速度を上げていった。 『もう・・・はしれ・・・ない・・・・ゆぎゃあああああ!!!!』バチバチッ 『ゆぐっ・・・ゆぐっ・・・じにだぐ・・・・な・・ゆぎゃあああ!!!!』バチバチバチッ 最後の3匹になった。今日のセレクションはこれで終了である。少年は速度を緩めた。 『おにいさん!きかいをとめてね!』 『これじゃゆっくりできないよ!』 「何言ってんだよ。鍛えなきゃ速くなれねえだろ。一晩中走ってろ馬鹿」 『ゆゆゆー!!!』 さすが金持ちである。カスタマイズにも金が掛かってる。 続く このSSに感想を付ける
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「ゆっくりしていってね!」 俺は家へ帰る途中に突然飛び出してきたゆっくりまりさを避けた結果、俺は自転車もろともお空へダイブした。 キラキラと太陽の光を受けて輝く自転車と川を見て世界全てがこんな風にキラキラしてたらきっと素敵だと俺は思った。 「わ~おそらをとんでる~♪」 こちらを見上げてそんなことをほざいてるゆっくりまりさに心中でやかましいわと悪態を突きつつ 俺は自転車から離脱して受身を取った、この間約2秒。 「ぐぅっ、は、速鷹号おおおおおお!!!」 俺は無傷だったものの我が愛機は突然増水した川に落ちてポロロッカしていった。 「ゆ~おにいさんよかったね!」 「な、何故にホワイ!?」 人の愛機が河童の川流れされたというのにこのド饅頭は何をほざいていらっしゃるのだろうかと俺は驚愕した。 「あんなゆっくりできないのりものにのってたらゆっくりできなくなるところだったよ! これからはゆっくりしていってね!」 俺はかなり豪快なスピードで堪忍袋の尾が切れた。 後悔させてやる。 お前は全てのこよなくスピードを愛する自転車乗り達を敵に回したのだ。 とりあえず俺はゆっくりまりさをマイハウスへと導いたのだった。 「ゆ♪まりさをおにいさんのおうちにつれてきてくれてありがとう! おれいにずーっといっしょにゆっくりしいってあげるね♪」 ゆっくりまりさは俺の家に入るや否や満開のスマイルでお礼を述べた。 この笑顔がこれから苦痛に歪むと思うとドキドキして愉快でたまらない。 「ああ、ゆっくりしていってくれ…できるものならな!」 そう言うと俺はゆっくりまりさの目の前でシババババっと高速で反復横とびを開始した。 「ゆ?!おにいさんゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 俺の余りに素早い挙動にゆっくりまりさは目を白黒させている。 ゆっくりすることを信条とする貴様にはゆっくりしているどころか 全開ギリギリのスピードで動き続ける俺の姿を見るのはさぞかし苦痛だろう。 「ゆぅ~!ゆっくりできないおにいさんとはいっしょにいられないよ! もうおうちかえる!」 そう言うとゆっくりまりさは俺に背を向けて外へ出ようとした。 「おっとそうはイカのコンコンチキ!」 俺はシュッパーンとゆっくりまりさの前に回り込むと今度はゆっくりまりさを中心に体はゆっくりまりさに向けながらぐるぐると回転を始めた。 「ゆぅぅぅぅぅうぅぅぅ~!?やべでよおおおおお!おうちかえしてええええええ!!」 さて、こんな感じで10分ほどまわっていたが自転車で鍛えた俺の足腰も流石にきつくなってきた。 限界をオーバーしてしまうのも時間の問題だろう。 「ゆ?ちょっとゆっくりしてきて…」 「記憶を失え!」 そう言って俺はゆっくりまりさの背後に回り後頭部に水平チョップをかますとゆっくりまりさは気絶した。 「ふぅ…」 俺は脚や疲れた箇所をアイシングしスポーツドリンクを一本のみストレッチを済ませた。 そろそろゆっくりまりさが起きそうになり、俺はまたその目の前で反復横とびをはじめた。 「ゆゅ~……ゆ!?どうしておにいさんがゆっくりしてないの!?」 ゆっくりまりさがぽやぽやとまぶたを上げて目を覚ました。 「くくく…やっとおきたか、俺の余りにもゆっくりしてなさに気絶してしまったお前は気付いて無いだろうが お前が寝てる間ずっとこうやってゆっくりしてないところを見せ続けてたんだぜ…?」 俺はにやりと笑いながら寝起きのゆっくりまりさに言い放った。 「ひぃ!?いやあああああああ!ゆっぐりでぎなよおおおお!おうぢがえる!おうぢがえるうううう!!!」 余りのゆっくりしていない事態にゆっくりまりさは悲鳴を上げた。 「ほう、もうおうちに帰るのかい?随分とゆっくりしてないじゃないか こりゃ俺のゆっくりしてなさがまりさに移ってきたようだな」 「!?まりさはゆっくりしてるよ!ゆっくりしていってね!」 ヒステリーを起こすゆっくりまりさにさらなる追い討ちをかけるとゆっくりまりさはガクガクと震えながらゆっくりを主張し始めた。 「その焦りっぷりがゆっくりしてないのさ!」 俺はさらに反復横とびのスピードを加速した。 「ゆ゛っぐり゛い゛い゛い゛い゛いいいいいいいい!?」 ゆっくりまりさは遂に耐え切れなくなり餡子を口からぶくぶくと吐いて果てた。 このSSに感想を付ける
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ゆっくり罵倒 うちに帰るとゆっくりが強盗に来ていた。 「ゆっ! ゆっくりにげるよ!」 キッチンでジャガイモをくわえていたまりさが、ぴょんと飛び上がって、もそもそ走っていく。 バカヤロ誰が逃がすか。俺はダッシュしてまりさを飛び越え、縁側に先回りした。 割られていたガラスの代わりにガラガラッと雨戸を閉める。 あーあちくしょう、これ実害じゃねえか。侵入だけなら許してやらんでもないと思ったのに。 実刑判決だな。執行猶予なし。 「ゆうっ! しめられちゃったよ! しかたがないね、ゆっくりあやまるよ!」 またピョンと跳ねたまりさが、俺を見てニコニコと笑いかけた。 「おにいさんごめんね! まりさははんせいしてるよ、ゆっくりゆるしてね!」 ピキキッ。 いかん、温厚なつもりが。 これはけっこう……クるわぁ。 「あぁ? なんだこのお調子もんが、それで許されると思ってんのかバカアホ短足ふくれ饅頭」 「ゆゆっ!? ゆるしてくれないの?」 「ったりめぇだ誰が許すかトンチンカンのアンポンタン! 藪にらみのへっぴり虫のインチキお化けのぶちゃむくれーのスットンキョーのデブ饅頭!」 「でぶっ!? まっまりさでぶじゃないよ! ゆっくりおこるよ!?」 またピョンと跳ねると、まりさは涙を浮かべてぷぅーっと膨れ上がる。 ゆっくり怒りのポーズだ。すかさず俺は怒鳴る。 「うるせえバーカ何がデブじゃないだこれだけボヨボヨならデブ以外の何もんでもねえだろうが!」 「ゆうっ? ゆゆゆゆ」 「デーブデブデブ脂肪の子! 太った中身はあんこっこ! 三段腹の怪生物!」 「ゆぐあああ、まりさでぶじゃない、でぶじゃないいい!」 ぷひゅるるる、と潰れてから、のてんばたん、のてんばたんとまりさはもだえる。 その鼻面に顔を突きつけてさらに怒鳴る。 「デブだしトンマだしノロマだド畜生! 田舎くさい土饅頭がダサボロい古帽子かぶって似合うと思ってんのかエセ生首の低脳団子!」 「だだだだだっ、ださくないいいぃぃぃぃ!!! まりさのおぼうしはさいこうのおぼうしなのぉぉ!!」 お、真っ赤になってわめきだした。そうだそうだ、ここがツボだった。 「お帽子お帽子素敵なお帽子真っ黒お帽子なんの色? あ・ヘドロ色♪ あ・ゴミの色♪ あ・葬式の・服の色♪」 ぺしぺしぺしぺし。帽子をはたいて歌ってやると、狂ったようにゴロゴロころがった。 「うだうな゛あぁぁぁぁぁぁ!!! おぼうしのへんなうだうだうなああぁぁぁ!!!」 「お帽子お帽子素敵なお帽子真っ黒お帽子なんの色? あ・燃えちゃった♪ あ・おコゲ色♪ あ・臭くて汚いうんうん色♪」 「やめろ゛ぉぉぉぉぉぉ!!!!? ぞんなうだ、なじなじなじなじぃぃぃぃぃぃ!!!」 「真っ黒まりさのお帽子は 昔々のお婆ちゃん しわしわばばあのお帽子だ かぶるとばばあだ、ババまりさ」 「ばばばばばばば、ばりざばば゛あじゃないよ゛ぉぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!?」 半狂乱で喚き立て、跳ね狂い、唾を飛ばす。 俺はにんやり笑って、正面から言う。 「ばば・まりさ☆」 「ばばあじゃないぃ!」 「ばばあ。おばばまりさ。しわしわクシャクシャ口臭い」 「くざぐ゛ないいぃぃぃ!!」 「鼻がない。耳もない。ないない尽くしない尽くし。ゴロゴロ転がるボールまりさ」 「なぐな゛いっ! なぐないのぉぉぉぉ!!!」 ぐっ、と腰を据えたかと思うと、猛烈に激怒した風情でぶるぶるぶるぶる震えながら怒鳴った。 「服も着てないパンツもはかない、エプロンもなければ箒もない。貧乏まりさ、ないないまりさ」 「ふっ、ふぐっ? ふぐってなに?」 目を白黒させるまりさを、すかさず嘲笑。 「服って何って? 服を知らないんだ。やぁーいやぁーい、バカまりさアホまりさ何にも知らないオタンチンまりさ! 服ってのはなぁーこれだよこれ!(バフバフ)見りゃわかんだろなんでわかんないんだっとにゆっくりはバカで愚かで無知でスカタンでアンポコリンでオッチョコチョイでメンチボーでアンガラモンガラでブッポーソーだなアッチョンブリケ!」 「あんがらっ! ぶりっ! ぎゅあああああああああ!!!!」 鬼のように目を吊り上げて、口をグワッと全開にして、とにかく何か言い返そうとした途端―― ぶっちーん、とまりさのこめかみが弾けた。途端に、ぶりゅーっと餡が噴出する。 「ゆ゛う゛っ!?」「うおっ!?」 まりさ本人だけでなく俺も驚いた。まりさの横顔から噴水のように餡が吹き出ていく。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、だめっあんこざんっでちゃだめっ!」 餡子を止めようと思ったのか、そわそわっ、とまりさはせわしなく左右を向いた。 しかしそれで遠心力がついてしまって、かえってビュッビュッと餡が勢いを増した。 「ゆ゛を゛゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!? とめてとめでどめで! おに゛いざんあんこどめでぇぇ!」 びょびょっ、と俺に近づいて、まりさは哀願した。しかし悪いが、俺はまったく逆のことを考えた。 「あーんこあんこ、あんこはうんこ、うんこがぴゅー! まりさがぴゅー! うんこまりさがぴゅっぴゅっぴゅー!」 「ゆがあああああ!!! ばりざはうんごまりざじゃない゛いぃ゛い゛ぃ゛!!」 びゅびゅー。 「や゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! おに゛いざんや゛めろ゛お゛お゛、あんごでぢゃうでじょおおおお!!?」 「うーんこまりさは真っ黒まりさー、中身も帽子もうんこっこー」 「う゛んごじゃなあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い!!!」 それがまりさの遺言だった。 激怒とともにブシャアアアアと餡子が噴いた後は、急にまりさは空ろな顔になって、ヘタヘタと崩れてしまった。 帽子の下で、くぼんだ眼窩の中の目玉を左右別々の方向に向けたまま、「う゛ う゛ん う゛ ゆ」とつぶやいている。 どうやら、激怒により餡圧が高まりすぎて破裂した挙句、餡子欠乏に陥ったらしかった。 俺は、畳一面の餡子とガラスの破片を避けながら、雨戸をカラカラと開け、マイルドセブンエクストライトに火をつけた。 「ふぅ……」 そして、次から外で罵倒しようと心に決めた。 =============================================================================== 罵倒マジで難しいです。すぐ子供言葉になってしまう。 「機関銃のように罵声を浴びせる」ことのできる人がうらやましい。 YT 過去作品 その他 エレベーターガール そ その他 変身 そ ゆっくりいじめ系27 幻想鉄道の動物対策 虐 機 霊夢×ゆっくり系2 博麗神社の酒造り 虐 料 その他 諸君私はゆっくりが好きだ そ 美鈴×ゆっくり系2 ほんめーりん×ゆっちゅりー甘甘水責め 虐 そ その他 FireYukkuri そ ゆっくりいじめ系187 終端速度 虐 家 無 永琳×ゆっくり系11 八意永琳のアルティメット・サイエンス 虐 そ ゆっくりいじめ系264 幻想郷のみにくい生き物 虐 ゆっくりいじめ系281 冬眠ゆっくりの子守唄 そ 環 性 家 ゆっくりいじめ系312 乙女よ、森はまだ早い 虐 性 無 ゆっくりいじめ系345 ゆっくり塊魂 虐 ゆっくりいじめ系1044 ゆっくりと共同生活 虐 家 ゆっくりいじめ系1052 ゆっくりとガチバトル そ 魔理沙×ゆっくり系4 ゆっくりの身の程 ゆっくりいじめ系1285 ゆっくり夢幻 驚異のマイクロゆっくり このSSに感想を付ける
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ゆっくり草 14KB 虐待-普通 虐待-いじめ 愛で ギャグ パロディ 小ネタ 野良ゆ ゲス 現代 虐待人間 愛護人間 短編集です、自分にはやはりショートが向いているようで。 序章 徒然なるままに日暮に PCに向かいて心に移り行く ゆっくり事をそこはかとなく書き留めれば いつの間にか日が変わっていたよ 徒然あき 第一章 「幸せ」 「ゆわーん!おぼうしかえしてね!かえしてね!!」 まったく、帽子くらいでそんなに騒ぐなよ。 さっきまでの威勢の良さはどうしたんだ?なあ、まりさちゃんよ? 「ごべんなざいぃ!あやばりまずがらおぼうじがえじでぇ!!」 きったねぇな、そんな事で泣くなよ。 まりさちゃんは強いんだろ?だったらお帽子取られたくらいで泣いちゃだめだろ? 「いじわるじないでかえじでよぉぉぉ!かえぜぇぇぇぇぇ!!」 人にお願いする時はそれなりの態度じゃないとだめだろ?あーお帽子破りたくなってきたなー 「やめでくだざいぃぃ!ごべんなざいぃぃ!おぼうじがないどゆっぐりでぎないんでずうぅぅぅ!!」 ゆっくり出来なくても死ぬ訳じゃないんだろ? なら別に良いじゃん、野良なら帽子無いの結構居るし。 「おぼうじがないどまりぢゃじんじゃうよぉ!おぼうじはいのじよりだいじなんだよぉぉぉ!!!」 ん?!なんて言った今?お帽子は命より大事なのか? ………ならこうしよう、命をとるか、帽子を取るかどっちかだ? 「ゆん?!」 アホなお前にも解りやすく説明してやろう。 お帽子を助けるならお前を殺す、お前を助けてほしかったら帽子を破る。 さあ、どっちだ? 「…………そっそれは……」 「…………………」 「……………」 「まりさのおぼうしはすてきだねーさすがれいむのまりさだよ」 「ゆふん♪それほどでもあるのぜ!」 「まりさのおぼうしはとってもとかいはね!」 「ゆふふ♪もっとほめるのぜ!」 「むきゅぅ、まりさのおぼうしはきれいね、うらやましいわ」 「ゆっへん♪もっとうらやましがるのぜ」 それはまりさが見た幻。 とても幸せな幻、とても儚い幻。 でも、まりさにとっては現実なのです。 まさか、本当に命より大事だったとはね、まいったね。 こんな天晴れな馬鹿は始めて見るね。 そう、それは潰されたまりさが見た幻。 でも、まりさはとても幸せそうな顔で死んでいます。 あなたはこんな顔で死ねますか? 完 第二章 「Rock You!」 「ミナサンコンニチハ、キョウハタップリタノシンデイッテクダサーイ!!」 「1・2・3」カンッ!カンッ!カンッ! ドドドスドドドスドスドスドスドドドドドドンドンドン♪ ■■■■■ ■■■ ■■■■ ■■ ■■■■ ■■■♪ これは今一部の間で人気急上昇のパンクバンド「U-Rock」のライブの様子だ。 国内外でいろいろと話題になっており、一般人でもその名前を知っているほどである。 音楽性、パフォーマンスなどいろいろ目新しいバンドではあるが、 何より話題になっているのはこれだろう。 「れいむのかれいなおどりにみとれてね!!」クネックネッ 「まりささまのかれいなだんずをおがむんだぜぇ!」ポヨムッポヨムッ 「ありすのほかいはなすてっぷによいしれていってね」ポッポッポッ バックダンサーにゆっくりを採用しているのだ。 パンクのリズムに合わせて激しく怪しく踊るその姿は、 愛らしくもあり、憎たらしくもあり、会場は更なる熱気に包まれていく。 バンドメンバーとゆっくりと観客が一体となったその空間。 不思議な心地よさと苛立ちと、そんな感情が入り乱れ、会場にいるすべての者が」ハイになる。 「ゆっはぁぁん!れいむ、たのしくなってきたよぉぉぉん!」ピコピコッワサワサッ 「まりさももりあがってきたんだぜぇぇぇぇ!!」キリッ! 「んっほぉぉぉぉう!さいこうにはいってやつねぇぇぇぇ!!」カクカクッ このバンドはライブ以外にPVでもゆっくりを使っている。 種類は通常種、希少種、ドス、胴付と様々。 ライブDVDとプロモーションDVDの売り上げも好調である。 ライブも終盤、会場はクライマックスだ。 「ミナサンタノシンデイタダケマシタカー?」 (*1)))) 「ムラムラキテマスカ?!」 (*2)))) 「イライラシテマスカ?」 (*3)))) 「イライラMAXデスカーー?」 (*4)))) 「OK!ソレデハイキマショウ!!!!」 そう叫ぶとボーカルのP・ユッケンジャーがギターを振りかぶる。 ほかのメンバーも、ダンサーゆっくりの方に向き直る。 「ゆゆっ!みとれていってね!もりあがっていってね!」ドガッ!! 「!?」 P・ユッケンジャーのギターがダンサーゆっくりを次々に粉砕していく。 ほかのメンバーも、ダンサーゆっくりを客席に放り投げたり楽器で潰していく。 スタッフが客席に追加ゆっくりを放り込む。 観客はそれに群がり潰していく。 「やべでぇぇぇぇぇぇ!!」 「ゆっぎぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 「わがらないよぉぉぉぉぉぉ!!」 会場は熱気と、狂気と、悲鳴と、甘い匂いにつつまれていく。 このバンドは当然ゆっくり愛護団体等からクレーム殺到である。 国によっては放送禁止になってるが、当人達はお構いなし。 ゆっくり愛護など、くそ喰らえ!といった感じの連中だった。 国内で販売されたデビュー曲のPVは、胴付ゆうかと胴付うどんげの妖しい絡みがあったため発禁になった。 おかげでかなりのプレミアがついている。 「ミナサンスッキリデキマシタカー?」 (*5)))) 「タノシンデイタダケテコウエイデスーアリガトウ!トーキョー!!」 P・ユッケンジャー パンク界では彼のことを、「ゆ虐の賢者」と呼ぶ。 完 第三章 「ユトリ教育」 「皆さん、今日2月22日は何の日ですかー?」 「はーい先生、2(のら)2(ゆっくり)2(ゼロ)の日です。」 「はーい、よく出来ました。ですから帽子とゴム手袋、ゴミ袋を持って校庭に集合してください。」 「「「「はーい!」」」」 政府が有り余る資源「ゆっくり」を教育に取り入れようと考案したのが「ユトリ教育」である。 大まかな方針は決めてあるものの、細かいものはほとんど県や自治体任せといったお粗末なものである。 この学校では学区の美化を目的として、毎月決められた日に野良ゆっくり清掃を行っている。 この町では野良ゆっくり問題が深刻で、町の美観をそこねると保健所等が対応していたが追いつかず、 この学校でも美化運動に取り組んでいるのだった。 「みなさーん、車に気をつけて清掃しましょうねー」 「「「「はーい、校長先生ー!」」」」 「あーめんどくせーなー」 「ちょっと男子、まじめにやりなよー」 「でもさー野良ゆっくりってきたないんだよなー ……あーそうだ、お前ひろったのよこせよー」 「やーだよ、ベー」 ゆゆっ!はじまったみたいだよ、ゆっくりかくれるよ! ゆっくりりかいしたよ!! ばかなちびにんげんがいっぱいなのぜ、おどかしてあまあまをようきゅうしてやるのぜ! にんげんさんにごあいさつましょうね はーい! むきゅ!こんげつもはじまったのね、むのうなゆっくりはつかまえられるといいわ! 様々な思いが交差する。 「やい!ちびにんげん!いたいめをみたくなかったらあまあまをよこすのぜ!!」 「うわっ!きったないゆっくりだなー」 「どこにめをつけているのぜ!こんなびゆっくりをまえに、しつれいなちびにんげんなのぜ!」 「あーまりさですね、ちゃんと分別して袋に入れるんですよー」 「はーい」 「ゆゆっ!なにするんだ……おぼうしかえしてぇぇぇ!!………おそらをとんdぶべ!」 ゆっくりはまりさゴミ、れいむゴミ、ありすゴミ等の種族に分けられる。 分別収集の概念を教えるためである。それと同時にお飾りゴミも分別される。 捕獲する前にお飾りを奪うのは無駄に抵抗させないためである。 攻撃的な野良も、お飾りを取られた時の行動パターンは制限されるため、 生徒に危害を加えるようなこともない。 清掃効果としてはまずまずの成果を挙げている。 当然賢いゆっくりは捕まらない様にしているが、アホなゆっくりのほうが圧倒的に多い。 何より、勝手に増えるので毎回大量に捕獲される。 「はい、今日も沢山集まりましたねーでは、ゆゆこに食べさせてあげましょう」 「「「「はーい」」」」 「こぼね♪こぼね♪」 「ゆゆこはかわいいねー」 「ゆぎゃぁぁぁぁ!ばでぃざをだべるなぁぁぁぁ!!」 「こほね♪こほね♪」 集められたゆっくりは汚い物からゆゆこに与えられる。 ゆゆこの可愛さに生徒は癒される、これも「ユトリ教育」の一環である。 ゆゆこの面倒を学校で見ることで生き物を大切にする心を学ぶのだ。 綺麗な物は加工所に引き取られ換金、集まったお金は寄付される。 学校によってはゆっくりを過剰なほどに愛護していたり、 性教育に胴付を使って問題になった所もあるが、この学校は成功している良い例だろう。 今日も学校には生徒の楽しそうな笑い声と、ゆゆこの「こぼね♪」が聞こえる。 完 第四章 「針治療」 『針治療 怪我、病気、性格なんでも治療します』 そう書かれた一軒の診療所。 ここは針治療専門、それもゆっくりのだ。 ゆっくりは思い込みの生き物と言われている。 まあ実際は生き物かどうかも怪しいものだが、ゆっくりは思い込みが激しい。 どうやって生きているのかも解らない、解っていない不思議饅頭に針治療が有効かどうか? ゆっくりにツボの様なものがあるかは知らないが、 少なくてもこの「針治療」ではツボは用いない、東洋医学の神秘とかそういう物もない。 では、どうやって治療しているのか? それは先ほど話した「激しい思い込み」である。 ゆっくりの思い込み、それは時に己の体に影響を及ぼすほどのものである。 「病は気から」とか「精神力」と言う言葉があるが、 まさにゆっくりはそれを自ら体現したような存在である。 そう、この「針治療」はまさにそれを利用しているのである。 ゆっくりの体は全身神経のようなもの、ゆえに無駄に痛がりだったりするのだ。 気にしてなければ何とでもない様なのだが、気にしだすと無駄に痛がる。 針を刺せば当然それを意識して痛がるのだ。 しかし、医師はこう告げる。 「これは治療だよ、簡単に言うと君の病気(もしくは怪我)を治すためにやっているんだよ」 この言葉を真に受けたゆっくりは、思い込みの力を発揮し必死に体を治そうとする。 これだけ痛い思いをしているんだから、治らないはずはないと自分に言い聞かせるのだ。 それと同時に次々増やされる針、早く治さなければまた痛い目に合わされる。 その思いが自然治癒能力を急激に加速させるのだ。 まあ、偉そうな事を述べているが要はゆっくり任せなのだ。 では、性格はどの様に治すのか? 「では、このでい…れいむちゃんのゲス治療でよろしいのですね?」 「そういってるザマしょ、まったくこれだから庶民は面倒でこまるんザマス!」 「……わかりました、ではさっそく診察を開始します。」 「ゆゆっ!きたないてで、でいぶをさわらないでねじじい!」 「そうザマス!変な病気でも移されたら大変ザマス!」 「……あーストレス貯まる」 「何か言いましたか?」 「…いえ、なにも」 ペットは飼い主に似ると言うが、まさにそれを地で行ってる依頼主。 それでも飼ゆがゲスになったという自覚はあるようだ。 男はゲスれいむをケースに入れたまま、診察室に運ぶ。 「きたないへやだね!びょうきになったらせきにんをとってもらうよ! それとはやくあまあまもってきてね!まったくきがきかないよ!!」 「………ゲスと認定、これより治療を開始します。」 「ゆゆっ!げすっていったの?れいむはげすじゃないよ!!ひどくきずついたよ! しゃざいをようきゅうするよ!」 男はれいむの声に耳も貸さず、淡々と治療の準備を整える。 長さの異なった針、その中から使うものを慎重に選び出す。 怪我や病気の治療ではゆっくりの皮膚、つまり皮に針を刺すのだが今回は違う。 「俺の針に神が宿る……いくぞ!」 「なにいってるの?ばかなの?しぬの?!」 「はっ!」プスッ! 「ゆゆゆゆっ?!」 「……………ユピィィィィィィーーーーーーーーーー」コリコリコリコリコリコリ! 性格は思い込みでは治せない。 むしろ思い込みでそうなったのだ、ではどうするのか? その答えはこれ。 皮ではなく、餡に針を指す。 正確には中枢餡と呼ばれるものを刺激して、正確を治そうというものだった。 当然それなりのリスクもある、中枢餡を破壊されればゆっくりは死んでしまうからだ。 詳しいことは解明されていないが、「中枢餡」と呼ばれるものはゆっくりの核となるもの。 人間で言えば、心臓や脳に針を刺すような危険な行為だ。 中枢餡の位置、大きさを正確に把握しそこに針を打ち込む。 当然傷つけすぎず、程よく刺激しなくてはならない。 針を刺されたれいむは白目をむき、口からだらしなくよだれをたらし、苦悶の表情を浮かべる。 「はーすっきり……じゃなかった成功したかな?」 「ガガガガガガ」 「………」 治療を終えたれいむを飼い主の元に戻す。 当然診察室に持ち込んだ時のように、ケースに入れて連れて行く。 ちなみに診察室は防音加工されており、一切の音漏れはない。 ゆっくりの悲鳴を聞いた飼い主に治療を邪魔されないためだ。 ……虐待のためではない、はずだ。 「れいむちゃん、大丈夫ザマスか?ゆっくりしていってね!ザマス」 「…………ガガガ…ユックリシテイッテネ!」 「あと2回ほどでゲス治療は終ります、次はれいむちゃんの体力回復のために一週間後でお願いします。」 「………」 「どうかしましたか?」 「…なんでもないザマス!本当に良くなるんザマしょうね?」 「………大丈夫ですよ」 「気になる間ね」 「はっはっはっ大丈夫ですよ。」 「………」 「…………ガガガ…………ギギギギ………」 依頼主を玄関まで見送る男。 「ありがとうございました。」 「次は一週間後ね?フン!まったく、とんだボッタクリザマスね!」 「お大事に…」 依頼主は嫌味を言うと、高そうな車に乗り込む。 「………ギギギ……」 心なしか、れいむを入れたケースが振動している気もするが、そんな事もないだろう。 一息ついて男は診療所に戻る。 「………何か間違ったかな?」 完 第五章 「ハイテンション2」 暗い部屋にスポットライトが照らされる。 一人の筋骨隆々な男が競泳用水着のビキニパンツを着て正座している。 部屋全体が明るくなると男の周囲に十数匹のゆっくりが居た。 ゆっくり達は突然の変化に目を白黒させている。 ドンドンドンドンドスドスドスドスドドドドドドンドン♪ 静かだった部屋に軽快な音楽が流れる、曲は「U-Rock」の「KILLER YUN」だ。 「ぼおくらはゆっくりとともだちぃぃぃ♪だからころすぅぅぅぅ♪」 曲にあわせ適当な歌詞を口ずさみゆっくりを潰していく。 鍛え抜かれた肉体は美しく、そしてたくましい。 「なんなのこれはぁぁぁぁぁぁ?!」バキッ! 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」グチョッ! 「わがらないよぉぉぉぉ!!」ベキッ! 男の動きは洗練されていた。 軽快なステップから繰り出される肉体技。 格闘技とダンスと球技を取り入れたような動作。 パンパな映画なら足元にも及ばない、華麗なアクション。 悲鳴も、叫びも、破裂音も、すべてがBGMにあわせて鳴り響く 完成されたゆ殺で見ている者を魅了する。 「きみのこころぉにかがやきをぉぉぉん♪ぼおぉくのこかんにゆっくりをおぉぉぉぉ♪」 「おがあちゃん!!」グチョッ! 「じにだぐないよぉぉぉ!!」ブチッ! 「おぞらをぉぉ!」ブリッ! そう歌うと、周囲に居た逃げ遅れの子ゆっくりを握りつぶしながらパンツの中に捻り込む。 所々に変態的な動作も見られる素晴らしいまでの暴走だ。 彼なら恐竜にでも立ち向かえそうなくらいだ。 ドンドンドドドドド………………ドン♪ 「ゆぐばぁぁぁぁぁぁぁ!!」 曲が終わると同時に、最後のゆっくりを仕留める。 完璧なまでの演技だ。 「これが今回の優勝者だそうだ、同士よ」 「……なんていうか、すごいな」 「嫉妬でQN!QN!してしまうぞ、同士よ」 「…あんた以上のHENTAIが居ることに驚いたよ」 「こうしてはいられん!修行に行くぞ!同士よ!!」 「勝手に一人で行って来てくれ」 「どぼじでぞんなごど言うのおぉぉぉぉぉぉl!!!」 完 これくらい固めた方が良いんでしょうか? ただ、これだとUP出来るまでに時間がかかります。 書きあがる時間が鈍いのですみません。 いつネタが尽きるか分かりませんが、その時までお付き合い願います。 過去に書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 819 ムシゴロウ王国 ふたば系ゆっくりいじめ 826 ムシゴロウ王国2 ふたば系ゆっくりいじめ 828 ムシゴロウ王国3 ふたば系ゆっくりいじめ 831 ムシゴロウ王国~王国の仲間達~ ふたば系ゆっくりいじめ 835 罰ゲーム ふたば系ゆっくりいじめ 836 ショート ふたば系ゆっくりいじめ 841 ゆんセルク ふたば系ゆっくりいじめ 842 ハイテンション ふたば系ゆっくりいじめ 848 思いを伝えよう ふたば系ゆっくりいじめ 849 ゆんケストラ ふたば系ゆっくりいじめ 850 即興 ふたば系ゆっくりいじめ 856 ムシゴロウ王国5 徒然あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ゆゆこは確かにこぼね~♪しかゆわないからかわいいんだよな~(о´∀`о) -- 2016-08-26 00 04 23 『性教育に胴付を使って問題になった所もあるが』 ここんとこ詳しく教えてもらおうか -- 2012-01-30 21 59 19 ちょwwトキwww・・じゃなくてアwミwバwwww -- 2011-12-01 06 19 09 めちゃくちゃおもしろくなってるww この時点で神SSの徒然あきさんだw ムシゴロウ王国5との間に作者様に一体何があったんだろうかw -- 2011-11-06 14 25 32 第4章の最後のせりふがアミバwww -- 2011-09-15 18 22 12
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※人間がゆっくりに感謝してます。 ※一部愛でられているゆっくりがいます。 「今日は記念すべき、10年目を迎えたゆっくりの日です。 ここに、我らを窮地より救ったゆっくりの銅像を立てました!」 都立ゆっくり公園。 10年目を迎えたこの記念式典。 拍手と共に白幕が剥がされる。 そこにはみるからにゆっくりしているれいむの銅像が立てられていた― 環境問題・飢餓問題・エネルギー問題。 幾多の問題を救った存在がある。 どこからともなく現れた人の頭だけのような存在。 しかも呼んで字の如く饅頭な存在―そう、ゆっくりである。 「んほぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 ゆっくりはたちどころに数を増やした。 その結果、世界に餡子―食料が溢れ人類は食べ物に事欠かなくなった。 「We have many food!!! Ya-ha-!!!!!!」 「どぼじででい゛ぶの゛あがぢゃ゛ん゛だべる゛の゛ぉ゛ぉ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛」 それだけではない。 「むーしゃ、むーしゃ、ここはたべものさんがたくさんおちてくるね!!!」 「ここはまりさのさいこうのゆっくりぷれいすだよ!!!」 ゆっくりは何でも食べた。 その結果、ゴミ問題が一気に解決した。 その上多くのゴミを燃やさなくて済むようになり、CO2の大幅な削減に繋がった。 また、そこで大量に増えたゆっくりはバイオ燃料に最適だった。 いつ切れるとも知れぬ化石燃料の代替の役目を十二分に果たしてくれたのだ。 「ばでぃ゛ざの゛お゛がぁ゛ざん゛がづぶざれじゃ゛っ゛だよ゛ぉ゛ぉ゛お゛おぉ゛ぉ゛」 ゆっくりの恩恵は留まる事を知らない。 「すっきりー!すっきりー!!すっきりー!!!」 「も゛っ゛ど……ゆ゛っ゛ぐり゛…じだがっ゛だ・・・・・・」 子供を作りきれずに黒ずんだゆっくりはかなりの保水力を持った。 それを元に草木が育ち、砂漠化の問題が解決された。 「あ゛り゛ずばずっ゛ぎり゛じだぐな゛い゛の゛に゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛・・・・・・」 更にはこんなこともやってのけた。 「ゆっくりちーちーするにぇ!!!」 ゆっくりはどんな汚水でさえ砂糖水に変えてしまうのだ。 これによって水質汚濁の問題があっさり解決されたのだ。 「にゃんでちーちーとみゃらないのぉぉぉぉ!!!」 ゆっくりの貢献は何も環境や食料、燃料だけでは無い。 「わからない、わからないよー」 ゆっくりはイライラのぶつけ先に最適だった。 そのお陰でストレスを溜め込んだ末の犯罪行為の件数が大幅に縮小された。 「ひゃっはー!もっと泣き叫べー!!!」 「わからな…ゆびぇっ!!!?」 勿論、ストレス発散だけではない。 「このゆっくりのトレンドポイントは…」 ゆっくりはペットとして飼い易く、一種のステータスになった。 近所話から芸能人の真似まで、よい交流や商売のネタとなった。 「あら、そちらのみまちゃんは可愛いわねぇ」 「お宅のゆめみちゃんだって大切にされてますわね」 何も若い人達だけがゆっくりの恩恵に預かっている訳ではない。 「むきゅ、おばーちゃんだいじょうぶ?」 ゆっくりは人と会話を交わすことができた。 そのため、老人の相手をする存在にもなった。 「ええ、ええ、げんきですよ。またごほんをよんであげるからね」 「むきゅぅん、ありがとね」 勿論、その存在に救われているのは人間だけではない。 「このもりはとってもゆっくりできるね!!!」 「ちーんぽ!!!」 ゆっくりは森に山に、自然の色々な所に住み着いた。 そのため、沢山の野生動物が餓えなくなり、生態系の修復にも繋がった。 「がま゛ぎり゛ざん゛や゛め゛でぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛」 「ゆ゛っ゛ぐり゛でぎな゛い゛ぃ゛ぃ゛い゛ぃ゛い゛ぃ゛」 そう、この世界はゆっくりによって成り立つようになったのだ。 まさに救世主である。 そしてこれからもゆっくりはその全てを余す事なく世界の為に使うだろう。 人間はそのことを忘れないよう、年に1度ゆっくりの日があり、式典を開くに違いない。 ・・・ゆっくりがゆっくりする?そんな事ができるはずがない。 何故なら世界を支える為にゆっくりは存在するのだから。 ※最近の食料事情のニュースを聞いててピンときました。 世界をいいように作り変えてきた人間です。これ位は何ということ無いでしょう。多分。 このSSに感想を付ける
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竹取り男とゆっくり 幻想郷のある山の上に男が一人住んでいた。 野山に入って竹を取りつつ、よろずのことに使っていた。 男のもとには週に一度のペースで商人が竹を買いに訪れ、男はこの商人から食料を買って生計を 立てていた。 ある日のこと…。 いつも来るはずの商人が、この日はやって来なかった。 なにか都合があったのだろう…… 男は家の裏の納屋からホコリをかぶった荷車を引き出し、山のように竹を積んで自ら街におりて いった。 男の竹材は飛ぶように売れて、荷車は早くも空になる。 荷車の重みは男の財布の重みに変わった。 たまには美味しいものでも食べようと甘味屋通りに入ったところである。 「ゆっくりしていってね!!」 突然大きな声をかけられ、男が声のほうへ振り向くと、ガラスケースに入れられた生首が鎮座し ていた。 「なんじゃこりゃあぁぁっ!?」 男が絶叫すると、店主が中から出てきた。 店主は『ゆっくりまんじゅうの商品化』を知らない男を瞬時に"おのぼりさん"だと見抜き、丁寧に 説明した。 街にゆっくり加工場ができたこと。 まんじゅうの餡子には小豆よりゆっくりを使ったほうが安価で、味も変わらないこと。 男は次第に納得していった。 「おひとついかがですか?」 と勧める店主が出してきたのは、小さなプチトマトほどのゆっくりの赤ちゃんだった。 男が受け取ると、赤ゆっくりと目が合った。 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」 まだ生まれたばかりの赤ゆっくりは手のひらの上でフワフワと上下に揺れ、ミニチュアサイズの 赤いリボンもユラユラ揺れた。 どうやらジャンプしているつもりらしい。 うにうにとした感触が気持ち悪かった。 「食えるの? これ。てか俺食うの?」 「中の餡子もやわらかくておいしいですよ。召し上がってみてください」 「ゆーっ! ゆーっ! おじしゃん、りぇいみゅをゆっくちさせちぇにぇ!」 この赤ゆっくりはまだ幼すぎて、自分が食べられる対象だということが分かっていないようだ。 キラキラと目を輝かせて男を見上げ、けたたましく『ゆっくり』を繰り返した。 う~ん…と唸りながらも、男は意を決すると一息に口に放り込んで、歯ですり潰した。 「ゆぎゅ…っ」 一瞬だけ赤ゆっくりの断末魔が響いたが、すぐに独特の風味が口いっぱいに広がった。 「ウマー」 「気にいっていただけましたか? 今のは今朝うまれたばかりの赤ちゃんで、皮も餡子もやわらかく どなたにも気に入っていただけるんですよ」 「うめぇ! 3ダースくれよ!」 実は、男は大の餡子好きだった。 これまでたくさんの饅頭や羊羹を食してきたが、このゆっくり饅頭は格別だった。 「お客さま、実はこんな商品が……」 十分な手ごたえを感じた店主は、男に対しておもむろに話を持ちかけた 男が山の自宅に帰ったとき、すでに陽は落ちていた。 空の荷車を納屋におさめると、先ほど甘味屋で買った商品をテーブルにおいて一息ついた。 商品は紙袋につつまれて中は見えず、またかなり重かった。 「店主に勧められるままに買っちまったけど、いやに重いな。 …まぁ安かったからいいが」 事実、今日稼いだ金額にくらべれば、この商品ぐらいいくらでも買える値段だった。 店主は中身は秘密だと言った。が、必ず満足いただけるに違いないとも付け加えた。 「試食のゆっくりに大満足だったから信用して買ったが、あの店主やるな…」 週に一度しか商売しない自分とは手練手管が違っていた。 「ではさっそく」 男は気を取り直して包み紙を破った。 すると、中から出てきたのは透明のケース。そして直径20センチほどのゆっくりが二体、 ケースの中にぎゅうぎゅうにおさまってぐっすり寝ていた。 「でか…」 昼間の赤ちゃんがこれほど育つのか、と男は感心した。 実際にはもっと大きくなるが、男はまだゆっくりについてよく知らなかった。 右側には昼間見た赤いリボンをしたゆっくり。 左側には金髪に黒いとんがり帽子のゆっくり。 どちらも大きな口からよだれを垂らし鼻ちょうちんをふくらませた醜悪な寝顔だった。 そうして視線を移していくと、ケースの左横からテープが出ていて 『これを引いて起こしてください』 と書いてある。男は素直にそのテープを引いてみた。 すると、ゆっくりたちの床がスライドして、とんがり帽子のゆっくりが下の床に落ちた。 デンッ! 「ゆ゙っ!?」 とんがり帽子のゆっくりは落ちた衝撃で目覚めた。 「な~る♪」 男は仕組みを理解し、さらにテープを引いてスライドを抜き取った。 デンッ! つづいて赤リボンのゆっくりが落ちたが、こちらはまだ眠っていた。 「鈍感な奴だなぁ…」 「ゆうぅ……ゆっ?」 男があきれていると、先に目覚めたとんがり帽子が男に気がついた。 「ゆっくりしていってね!」 昼間、甘味屋通りに足を踏み入れた瞬間に言われたのと同じセリフ。 こいつらのあいさつ文句かと思い、男も同じセリフを返した。 「ゆっくりしていってネ!」 …返した後で、なにも声まで真似ることもなかったと後悔した。 「おじさんだれ? まりさ、おじさんのことしらないよ?」 こいつ"まりさ"って名前か。 「俺は今日お前らを買ってきたんだよ。まぁ飼い主みたいなもんかなぁ…」 「かいぬし? かいぬしってなんだかしらないけど、おじさんはゆっくりしてるひと?」 「んー、まぁゆっくりしてるかな」 こいつの『ゆっくり』という言葉の使い方に疑問を感じたが、適当に流しておいた。 「じゃあ、おじさんはまりさもゆっくりさせてね。ここせまいよ! ここじゃせまくて まりさゆっくりできないよ! おじさんははやくまりさをここからだして、ゆっくりさせてね!!」 なんだこいつら!(怒) 確かにこのサイズのゆっくりにこのケースは狭いと思うが、この偉そうな口調はなんだ。 しかもこの顔。 自信に満ちあふれて命令してくるこの憎たらしい顔! 「どうしたの? なんでだまってるの? おじさんばかなの?」 「むか!」 頭に血がのぼった瞬間、まりさの声にもう一体のゆっくりが目を覚ました。 「うー、うゆぅ…。 ……ゆ? まりさ、ゆっくりしていってね!」 「ゆ! れいむおきたんだね! れいむもゆっくりしていってね!」 まりさはそれまでのやり取りをすっかり忘れたような様子で、目覚めた隣のゆっくりとあいさつを 交わしていた。 え~と、この鈍感なのがれいむ…と。 俺は怒りをおさめ、れいむというゆっくりがどんな奴なのか観察することにした。 れいむとまりさは『ゆっくりしていってね』を何度か繰り返すと、お互いに頬擦りし始めた。 「きめぇ!」 だが、ちゃんと頬を擦りつける動作をするには、このケースが狭すぎた。 「ゆ? まりさ、ここせまいよ。これじゃゆっくりできないよ」 「そうだよれいむ。このおじさんがまりさたちをこんなところにおしこめたんだよ。おじさん、 ゆっくりしてないではやくまりさたちをここからだしてよ!」 「そうだよ、はやくだしてよ」 「どうしてつったってるの? ことばがわからないの? ばかなの?」 「ばかなの? おじさんばかなの?」 憤慨した!!! 「うらあっ」 押し込めたのは俺じゃねぇ! 俺はバカじゃねぇ! 男はちゃぶ台をひっくり返すようにケースを投げ上げた。 「ゆぶっ」 「ゆ゙あ゙あ゙ああぁ」 ケースは空中で勢いよく8回転した後、木製の床に落ちて盛大な音を立てた。 「こんのクソ饅頭がッ」 男の怒りはそれだけでおさまらず、大股にケースに近づいた。 「ゆぐっ…! おじさん…どうしてこんなことするの…ゆっくりやめてね…?」 ケースのふたが壊れて外に投げ出されたまりさは、男の形相に怯えて震える声でうったえた。 「おじさん、まりさとゆっくりし…」 だが、男はまりさの体をむんずと掴み上げると、思いきりぶん殴った。 「ゆぎゃんっ!!」 まりさの体は壁に叩きつけられて平べったくひしゃげ、ボタリと床に落ちた。 衝撃で頬の皮が破け、中の餡子が露出している。 「ゆ…ゆぶぅぅぅぅ……」 まりさがよろよろと起き上がると、破れた傷口から餡子が飛び出てしまった。 「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ばり゙ざのあ゙んごがあ゙あ゙ぁぁ!! どぼじでごんなごどずるの゙お゙お゙お゙」 まりさは涙や涎にまみれながら、歯茎をむき出してむせび泣いた。 「まりさ! まりさ! …おじさん、おねがいだから、まりさをゆっくりゆるしてあげてね!」 ふたの開いたケースから這い出たれいむは、さっきまで一緒に悪態をついていたことも忘れて まりさの命乞いを始めた。 だが、まりさは自分の命乞いをしてくれるれいむの気持ちを反故にするような言葉を発し始める。 「れいぶがわるいんだよぉおじさん! れいぶが…ゆっくりできないのはおじさんがばかだからって そういったんだよおぉぉ!」 このままでは殺されると感じたまりさは、すぐそれとわかるような嘘で男の注意をれいむに向け ようとした。 「ゆ!? ゆゆう!!?」 れいむのほうは、あまりに唐突なありすの言葉に、餡子脳が混乱して絶句してしまった。 「ゆぐっ、ぞうだよ、れいぶがわるいんだよ! ばりざはおじざんのごど、ごれっぼっぢもばがなん…」 「おら゙ぁ!」 「ゆがあ゙あ゙あ゙あぁぁぁ…ぶびゃ!!!」 まりさは男に蹴り上げられ、壁に叩きつけられて餡子を撒き散らした。 今度は打ちどころが悪かったようだ。 「ぐぽぇ…」 ボトボトボト。 口から大量の餡子を吐き出したまりさは、焦点の定まらない目をぐるんぐるんと回して倒れた。 男はおとなしくなったまりさをつまみ上げた。 「ごぷっ…ゆぐ…ゆぐ…ゆっぐじ…ざぜで…………ゆっぐじ…じだい…」 まりさはでろでろと餡子を垂れ流しながら、うわ言のようにつぶやいた。 口や傷から流れる餡子から、むあぁ…と甘ったるい臭気が上がる。 まりさの姿に、男もここへきて落ち着きを取り戻しつつあった。 「だんでぼ…ずる゙がら゙………ゆ゙る゙じでえ……ごろ゙ざな゙いでえ……」 「…もう悪態ついたりしないか?」 懇願するまりさを見て、男は念を押した。 「じばぜん…じばぜん…ゆ゙る゙じで……ゆ゙っぐじじだい゙……」 「…お前もしないか?」 さっきまでケースの中で一緒だったまりさに裏切られたり、そのまりさが殴られて蹴られて 瀕死の重傷を負わされる様子を見ていたれいむは恐怖と混乱で固まっていたが、急に男が自分を 振り向いたのであわてて我に返った。 「ゆ…ゆぇ!?」 「もう悪態ついたりしないか!?」 「ひぃっ! もうしません! ここでゆっくりしたいですうぅぅぅぅぅ!!」 「よし、じゃあ許してやる」 男はそう言って、涙やら涎やら傷口の餡子やらでぐちゃぐちゃになったまりさの体をつまみ上げ、 ケースを持ち上げてテーブルの上に据えなおした。 「ゆうぅ…ゆうぅ…」 いまだむせび泣いているボロボロのまりさと、震えているれいむの体をケースの隣に並べて置くと、 男は首をひねった。 「たしかにこのケース、小さいよなぁ」 男はケースと二体のゆっくりの大きさを見比べながらつぶやいた。 もはやゆっくりたちも狭いと文句を言うことはなく、言われるとおりにします、といった様子で うなだれている。 ふたも壊れちまったしなぁ…直るかな…?」 男は割れたふたをケースの上部に置いて、下から接着面を見上げた。 その時だった! まりさはそれまでの様子からは想像できない機敏さで、れいむの体を突き飛ばした。 ぐにゅ! 「うわっ!」 「ゆゆっ!?」 突き飛ばされたれいむは、ちょうどテーブルと同じ高さにあった男の顔面に衝突した。 体が饅頭でできているためか、れいむは男の顔面に張りついたままだった。 「こんなところじゃゆっくりできないよ! らんぼうでばかなおじさんはれいむといっしょに ゆっくりしねばいいよ!!」 なんと、今までの惨めな姿はすべてまりさの演技だったのだ。 傷は深かったが、体全体の餡子の量は致死量に至るほど失われてはいなかったのである。 こうして男がまりさを許して隙を見せるまで、まりさは演技を続けていたのだった。 「じゃあね! ばかなおじさんと、ばかなれいむ! まりさはもっとゆっくりできるところにいって ゆっくりいきていくよ!」 「ぐうぅ…」 「ゆっくりしね! れいむといっしょにゆっくりしね!」 すぐに逃げればいいものを、ご丁寧に口上を述べてからまりさはゆっくり逃げ出した。 「このやろう!!!」 男は顔かられいむを引き剥がすと、まりさを追って駆け出した。 小さなゆっくりと、大きな人間と。 まともに走って、どうして逃げられることがありよう。 男は簡単にまりさの逃げ道に立ちはだかった。 「このクソ饅頭…もう許さねぇ…」 「ゆぐ…ぐ……」 あれほど強気だったまりさは、恐怖のあまり再び泣き出した。 「ゆあ゙あ゙ぁぁぁんゆ゙る゙じでえ゙ぇぇぇぇ!! だだゆ゙っぐじじだい゙だげだっだの゙お゙お゙お゙」 まりさは歯茎を剥き出しにして、家も揺れんばかりな泣き声を上げた。 「ばじざはでいぶどい゙る゙の゙がい゙や゙だっだだげな゙の゙お゙お゙お゙!!! お゙じざんがでいぶを゙ お゙い゙だじでぐでだらい゙っじょに゙ゆ゙っぐじ…」 男はまりさを両手で持ち上げると、 「ふん!」 と両手の親指でまりさの体をぱっくり割った。 「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙な゙んでえ゙ぇ!? な゙んでごどずる゙の゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!!」 まりさは足のあたりを真っ二つに裂かれ、黒々とした甘そうな粒餡を露出した。 「い゙だい゙よ゙おっ!! でい゙ぶぅ!! でい゙ぶぅ!! だずげでえ゙え゙ぇぇえ゙ぇぇぇ!!!!!」 どれほど汚いのか。 二度も裏切られたれいむが助けに来るはずもなく、遠くでこの惨状を眺めているだけだった。 誰も助けてくれないまりさはぐちゃぐちゃに顔をゆがめながら絶望を味わった。 男は湯気でも吹きそうなくらいホクホクとしたまりさの餡子に顔を近づけた。 「ゆ゙ががあ゙あ゙あぁぁぶばああっぁぁぁぁあ゙っ!!!!」 途端にまりさは断末魔のような叫びを上げた。 「ずわ゙な゙いでっ! だめ゙えぇぇぇえぇばでぃざのあ゙んごずっぢゃだべえ゙え゙ぇぇ!!!!」 生きたままジュルジュルと体内の餡子を吸い出されていくおぞましい感触。 命の源の餡子を断続的に吸われるたびに、まりさは激しい苦しみに襲われた。 吸い出せる餡子が少なくなってくると、男は舌を伸ばしてまりさの体の中を舐め上げた。 「うゔっ…うぎゅゔっ! ……ぐ…ぶっ…! ぶゅぐっ…ぎゃびゅ! ………」 遠のいていく意識の中、男の舌で皮の内側を舐め上げられるたび、痛いような、くすぐったいよう な感覚が全身を走った。 9割ほどの餡子を男に食べられたまりさは、だらんと舌を垂らして白目を剥き出したまま ビクンビクンと痙攣を繰り返した。 「ぷはぁ…!」 男は真っ二つに裂かれたまりさの切り口から顔を上げた。 性格は言い表せる言葉も見つからないようなド腐れ外道だったが、餡子の味はなかなかのもの だった。 皮の外側のまりさの顔を見ると、白目を剥いたまま昇天していた。 カタカタカタカタカタカタ…… なにか硬質のものが打ち合わされる音がしたので見てみると、れいむが男を見上げたまま歯を 鳴らして震えていた。 「ああ…俺な…餡子が好きなんだよ。餡子"だけ"が好きで好きでたまらないんだよ…。もしも ナマ言ったり逃げたりしたら、お前もこいつみたいに中身だけ食い荒らすぞ」 男はヒラヒラと、ゆっくりまりさだったものの皮を振って見せると、それを生ゴミ入れに乱暴に 投げ捨てた。 「ゆぶぇ…」 れいむはその瞬間、恐怖のあまり口から一握りの餡子を吐き出して失神してしまった。 男はれいむをつまみ上げるとケースの中に入れた。 壊れたふたは、もう必要ないので捨てた。 終 続編 ~あとがき~ なんか目覚めたので書いてみた。 関連スレに感想くれたら嬉しい。 「虐待厨氏ね!」でもべつにかまわんよ。 耐性ついてるしガードも堅いから。 読んでくれた人、ありがとな。 ではまた~。 ~追記~ 一部に誤表記があったので訂正。 あと、アク禁で書き込めなかったのでここで。 感想と訂正箇所教えてくれたみんなサンクス。 このSSに感想を付ける
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※注意 特になにもしてないゆっくり一家が虐められます! 「ピタゴラゆっくり 装置編」 梅雨も中ごろにになり、久々の晴れ間を見せた幻想の森の中をあるゆっくり一家がお散歩していた。 母親と思われるゆっくりれいむの後ろを10匹ほどの子ゆっくり達がぞろぞろとついて回っている。 久々の晴れ間とあって皆、意気揚々としている。 「ゆっ!ゆっ!ひさしぶりのおそとはきもちぃなー!」 「そうだね!ゆっくりたのしもうねっ!」 「ゆっ!ゆっ!ゆっ~♪」 「おかぁさん、ゆっくりおなかすいたよー、やすもうよー。」 「ゅゅ、ゅっくりちかれたー。」 子ゆっくり達は思い思いにしゃべっている。 「そうだね。そろそろゆっくりしようね。」 一番小さな子ゆっくりが疲れてきているのを確認すると、ちょうど川辺に差し掛かったこともあり、 おかあさんゆっくりはそこで休憩をとることにした。そこか花も咲きほこり、それにつられて虫たちも 集まっており、ゆっくりには最高のゆっくりスポットだった。 「おみずつめたーい!」 「すっきりー!」 川辺で水浴びをするゆっくり。 「はふはふ、うまっ、めっちゃうまコレ!」 「む~しゃ、む~しゃ、しあわせー!」 花や虫を食べるゆっくり。 はしゃぎまわる子ゆっくり達を見守りながら木陰で休むおかあさんゆっくり。 と、そこへガサッゴソッと近くの草むらからなにやら音が聞こえてくる。 「お、なんだゆっくりの家族か。」 草むらから一人の男が出てくる。 「ゆゆ?おじさんだれー?」 「おじさんはゆっくりできるひとー?」 「おじさんゆっくりしていってね!」 男に気づいた子ゆっくり達がテンプレな台詞をいいながら男に近寄っていく。 「ゆっくりちかづいちゃだめだよっ!」 突然、おかあさんゆっくりが叫び子供達を引き止める。 「おかあさんどうしたの?」 「どうちたのー?」 いきなり大声を上げた母親にびっくりしつつも、疑問の声を投げかける子ゆっくり。 このおかあさんゆっくりは人間がどんなものなのか僅かながら知っていた。食べ物やお家 をくれたと思ったら、いきなりひどいことをしてゆっくり達をゆっくりさせてくれないのだ、と 仲間のゆっくりから聞いていたのだ。特に「かこうじょ」の人というものには絶対に近づいたら いけないらしい。 「おじさんかこうじょのひとでしょ!れいむしってるよ、かこうじょのひとはあぶないって!」 木陰から移動し、男から子供達を隠すようにしながら言うおかあさんゆっくり。母親のいつもと 違う気迫に少々おびえながおかあさんゆっくりの陰から男を見上げる子ゆっくり。 「ははっ、僕は加工所の人間なんかじゃないよ、ただのきのこ取りさ。ほら、これが証拠だよ。」 そういって男は自分の背負っている籠の中身をゆっくり達に見せる。確かにその籠にはたくさんの きのこが入っていた。 男の見せたきのこに子供達は一瞬にして食べたそうに瞳を輝かせたが、それでもおかあさんゆっくり は男に疑いの目を向けつつ、子供達を制止する。その様子をみた男は頭をぽりぽりと掻きながら苦笑する。 「おいおい、そんなに怖い顔しないでくれよ。ほら、お近づきのしるし。」 そういいながら男は、自分のズボンのポケットから飴玉やクッキーを取り出し、ゆっくり達の前に置く。 このお菓子はゆっくり達に出会ったとき、籠の中身から気をそらすために男が常に持ち歩いているものだ。 当然、賞味期限などはとっくの昔に過ぎている。 目の前においしそうなものが来たことで、子ゆっくり達は我を忘れ、母親の陰から飛び出し喰らいつく。 「はふはふ、あまっ、うまっ、めっちゃスイーツ!」 「む~しゃ、む~しゃ、とってもしあわせ~。」 「あまーーーーーーーーい!」 「おいち、おいちぃ!」 無我夢中でお菓子に喰らいつく我が子に最初は戸惑いつつも、男がにこにこしながら特に何もしないこと、 子供達にも何もおこらないこと、そして、そういえば自分もお腹すいたなぁ・・・。と、思っていたことから 自分も男の置いたお菓子に恐る恐る口をつける。 「・・・!うまっ!めがっさうめぇ!」 飴玉を口に入れた瞬間、おかあさんゆっくりの頭の中は食欲で一杯になった。 甘いさすがゆっくり甘い。 「どうだい君達、おいしかったかい?」 ゆっくり達がひとしきり食べ終わるのを待ってから尋ねる男。 「おじさん、おいしかったよ!でも、ゆっくりもっとたべたいよ!」 「ゆっくりちょうだい!ゆっくりちょうだい!」 「MOTTO!MOTTO!」 「もっちょ、もっちょー。」 ゆっくり達の反応はまさしくテンプレ乙。といわざる終えないものだった。特に母親ゆっくりは、さっきまで 疑っていたのはどこにいったのか一番声高におかわりを要求してくる。 「それじゃ、おじさんのお家に来るかい?」 「おじさんのおうち?」 「そうだよ。」 「おじさんのおうちにはたべものがいっぱいあるの?」 「そうだよ。しかも食べ物だけじゃなくて君達にぴったりの遊び場もあるし、かなりゆっくりできるところだよ!」 その言葉をきいた瞬間、ゆっくり達は目を今まで以上に目を輝かせ「ゆっくり!ゆっくり!」と飛び跳ねている。 「それじゃ、改めて聞くけどおじさんのお家に来るかい?」 そう男が尋ねると、ゆっくり達は声をそろえて、 「「「「ゆっくりおじさんのおうちにいくよ!」」」」 こうして、1人と11匹の行列は人里へと向けて出発した。 途中、ゆっくりれみりあがゆっくり達を襲うと飛び掛ってきたが、男がそのキレイな顔をふっ飛ばしてやったので、 ゆっくり達はは更に男のことを信用した。 そして― 「ここが、おじさんのお家だよ!」 そういって男が扉を開け、中にゆっくり達を通してやる。 「わぁー、ひろーい!」 「ここならゆっくりできるね!」 「ゆっくりみて!たべものがあるよ!」 「わーい!わーい!ゆっくりしよー!」 部屋に通されたゆっくり達は思い思いの感想を述べながら、目ざとく見つけたお菓子の山に群がっていく。部屋の広 さは、6畳ほどだがゆっくり達には十分すぎる広さだ。そこには大量の(賞味期限切れの)お菓子があり、部屋の隅には 水のみ場が、そして、部屋の中央には滑り台やらトランポリンやらアスレチックやらが合体したものが置かれている。 これらはすべてゆっくりのサイズに合わせて作られている。 「ゆゆっ!すごいねおじさん!ほんとにゆっくりしていっていいの?」 いつの間にかお菓子を満腹になるまで食べ終え、ゆっくり用総合レジャー施設で遊んでいる子供達を優しく見つめながら 男に尋ねるおかあさんゆっくり。 「当然だよ!ここはおじさんがゆっくりのためにゆっくり出来るように作ったんだからね!」 と、親指をグッと立てたながら笑う男。 「おじさんありがとう!じゃあ、れいむもゆっくりするね!」 そういっておかあさんゆっくりは子供達のもとへぽよんぽよんと跳ねていく。それを後ろから見ながら男が、あっ、思いつい たような声を上げる。 「折角おじさんの家に来てもらったんだ、何か歓迎のお料理を作ってあげないとね!」 「ゆゆ?おじさんれいむになにかくれるの?」 「そうさ!おじさんとっておきのおいしいお料理さ!」 その言葉を聞いて喜ぶ母ゆっくり。さらに男は、 「そうだ、そこのちびちゃん達にも手伝ってもらおうかな。」 そういって男は子ゆっくり達の中で一番目と二番目に小さいゆっくりを指差す。 「ゆ?れいむがにゃにかおてちゅだいするのー?」 「すりゅのー?」 この2匹の大きさはまさしく一口サイズといっていい大きさだった。 「そうだよ、おじさんと一緒におかあさんのためにおいしい料理を作って、お母さんを喜ばせてあげよう。」 おかさんのために、おかあさんを喜ばす、といった言葉がまだ幼く、周りに世話をしてもらっている2匹の心に 響いたのか、俄然やる気に満ちた顔になる。他の子ゆっくり達も自分も手伝うと申し出るが、男がこの2匹が一番 いいのさ。といいながら、子ゆっくりを1匹、滑り台から転がしてやる。 「ゆぷぷぷぷぷぷぷぷぷ」 と声をあげながら滑り降りてくる子ゆっくり。その声に驚き、滑り終えて床に突っ伏す子ゆっくりを見守る他ゆっくり 達。と、突然突っ伏していたままのゆっくりが飛び起き、 「ゆー!!これ、とってもたのしいよ!みんなもゆっくりやろうね!」 興奮しきった顔で叫んだゆっくりの声によって我も我もと滑り台のてっぺんへと登り始める。 それを見た男は、じゃ逝こうか。と、ちびゆっくり達を抱え台所のある扉へ向かう。ちび達は滑り台を名残惜しそう 見つめながらも、母の役に立ちたいと目を輝かせながら男の手の中に納まった。 おかあさんゆっくりは幸せだった。こんな広くて食べ物がたくさんあるところでゆっくりできるのが、我が子たちが 楽しそうにしているのを、なによりまだ幼い末娘達が自分のためにおいしいものを作ってくれるのを。 しかし、おかあさんゆっくりは気づかない。この部屋の壁は分厚く、防音仕様になっていることを。おかあさんゆっくり は気づかない、この部屋につながる部屋の扉はすべて鍵付であること。おかあさんゆっくりは気づかない、この部屋には窓 が無いことを。 ―――十数分後 「お・ま・た・せ~☆」 男がそんな声あげるんじゃねー!と言われそうな声色で男が皿を抱えて入ってくる。その顔はなぜかとてもやりきった後の顔だ。 「ゆゆ!おじさんまってたよ!はやくゆっくりちょうだいね!」 などと、微妙に矛盾したこと言うおかあさんゆっくり。 「ふふふ、ごめんごめん。はい、これ!」 そういって男は持っていた皿をゆっくりの前に置く。 「わーすごーい!」 「おいしそう!」 「いいにおい~!」 男の置いた皿の中身をみて、遊びつかれて母親にくっついて休んでいた子ゆっくり達が感想を口にする。 男の持ってきたものは2つの上げゴマ団子だった。丸々としたそれはたっぷりとゴマがまぶされ狐色になるまで油で揚げられている。 団子からはゴマの香りが立ち込める。想像するだけで腹が減ってくる。 それを目の前で見せられたおかあさんゆっくりは待ってました!と言わんばかりにかぶりつこうとする。しかし、直前でふと違和感に 気づき、男に尋ねる。 「ところでおじさん、れいむの赤ちゃん達はどうしたの?」 そう、男を手伝ってもらうといって連れて行かれたちび達がいないのだ。 「ちょっとお団子を作るのに疲れた休んでるだけだよ。今はおねんねしているよ。」 男がそういうと、ならば大丈夫と思ったのかおかあさんゆっくりは揚げゴマ団子にがぶりつく。 「はふ、あつっ、はふ、うめっ、めっちゃうめこれ!!!」 かなり気に入ったのか思わず2個いっぺんに食べるお母さんゆっくり。それを見た男は密かに笑みを浮かべる。 おかあさんゆっくりが団子を両方とも半分ほど食べたころに男がぱんぱんと手をたたく。それにつられておかあさんゆっくりは食事を 止め、母親の食事を羨ましそうに見つめていた子ゆっくり達も男に注目する。 「おかあさんばっかり楽しんでちゃ、君達がかわいそうだから今からおじさんが手品をしてあげるよ!」 「ゆゆ?てじな?」 1匹の子ゆっくりが聞き返す。 「そうだよ、さぁ見ててごらん。」 「ゆゆ??」 そういって、男は1匹の子ゆっくりを手のひらにのせるとどこから取り出したハンカチをかぶせる。 「おじさーんなにもみえないよー!」 「おじさんはやくそれをどけてあげてね!」 ゆっくり達の抗議の声を無視して呪文を唱える男。 「3・・・2・・・1・・・、オマエハモウシンデイルー!」 そういって男が勢い良くハンカチを上へつまみ上げる。 「「「!?!?!?!?」」」 ゆっくり達の顔が驚愕の色に染まる。なんと、さっきまで男の手のひらにいた子ゆっくりは一枚のクッキーになってしまったのである!! 「はいどうぞ、お食べ。」 そういって男は驚き固まっている子ゆっくりにクッキーを差し出す。 「クッキーうめぇ。」 思わずクッキーを食べる子ゆっくり。途端、 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛れいむがれいむをだべだぁぁぁぁぁぁ!!」 1匹の子ゆっくりがそう叫んだことてゆっくりれいむ一家は狂乱状態となった。 「どうじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおおおおお!!」 「おぢさんゆっぐりじねぇぇぇぇ!」 「あがぢゃんがあ!れいむのあがぢゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 一家はそろって男に体当たりをしてくる。男は慌てて、 「ほらほら、すこし落ち着いて!れいむはちゃんとここにいるよ!」 そういって、男は再びハンカチを手のひらにのせると今度ゆっくりとハンカチを除ける。するとそこには1匹の子ゆっくりがいた。何が起 こったのか理解できずきょとんとした目で周りを見渡す。 「よがっだぁ!わだじのあがぢゃんいぎでるー!」 「ゆっぐりじでいこうね!ゆっくりじでいこう!」 子ゆっくりの無事を確認した一家は今度は嬉しさのあまり泣きじゃくる。 「みんなゆっくりしようね!ゆっくりしようね!」 当の子ゆっくりは状況をいまいち飲み込めないのか男の手のひらで楽しそうに飛び跳ねる。 「おじさんひどいよ!いきなりこんなことするなんて!」 狂乱状態から立ち直ったおかあさんゆっくりは男に抗議する。 「はは、ごめんごめん。でも、手品っていうのはこうやって皆を楽しませるものなんだ!」 「もう!今度からはゆっくり気をつけてね!」 おかあさんゆっくりは頬をぷくーと膨らませるが、手品自体が安全なものとわかったので安心したようだ。 そのことが子ゆっくり達に伝わったのか、今度は自分にやってという声が上がり始めた。男はそれを快く受け、皆に代わりばんこで手品をして あげた、不思議で面白いものが見れ、更にはお菓子まで貰える、まさに一石二鳥だった。 全員が手品を体験し終えると、男はゆっくり用総合レジャー施設の前に立つと、滑り台の終端部分に何か引っ掛けるような動作をした後、その 部分が隠れるようにハンカチのカーテンを掛けると、 「さぁ、ここからが本番だよ!今度はこの滑り台から降りてきた子がハンカチにはいると、なんと!餡子入りのお饅頭に変わりま~す!」 その言葉に喜びの声をあげるゆっくり達。続けて男は、 「さらに、今回は3人一緒にこの手品を受けてもらいます!もちろんお饅頭も3つ分!」 その言葉で更に色めき立つゆっくり達。れいむがやる!れいむがやる!と男に擦り寄る。そして男は適当に3匹の子ゆっくりを拾い上げる。 拾い上げられた子ゆっくりは満足げだ。他のゆっくり達はブーブー文句をいっているが、男のみんなちゃんとやってあげるよ。という言葉に それなら大丈夫だね!と言い合った。 「それじゃ、いくよー!」 そういって3匹の子ゆっくり達を立て続けに転がす。子ゆっくり達の顔の向きは皆、外側を向き、横にころんころんといった感じで転がっていく。 この滑り台、滑り台というにはレールに近い。そう、工場などで製品の向きをしっかり固定できるようなレールに。 「ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪」 子ゆっくりはご満悦だった。姉妹の誰よりも最初に選ばれたから。それに、この滑り台はとても面白いからだ。目はぐるぐる回ってしまうが、この スピード感は普通にゆっくりしていたら体験できないものだ。そろそろこの滑り台ももうすぐ終わってしまう。そうなるの少し寂しい。でも、おじ さんに頼んだらもう一度させてくれるかもしれない。そうだ、そうに違いない。と、思いながら視界がハンカチに遮られた瞬間、子ゆっくりの体の 中を何かが走り抜けていった。子ゆっくりはそれが何なのかを確認するまもなく意識が暗闇に溶けた。 3匹の子ゆっくりがハンカチのカーテンに吸い込まれたこと確認した男は、ニヤッと笑みを浮かべた後、 「さぁさぁ、みなさんお持ちかねお饅頭だよ!3、2、1!オマエハモウシンデイルー!」 そういって男はハンカチを外すことなく、手でひょいと、子ゆっくり達の前に饅頭を置いてやる。そこには、3つの饅頭がきれいに2等分ずつされていた。 「ゆっくりあま~い!おいしー!」 「うまうまうまうまうー☆」 「おいしいね!」 「おいしいね!」 5匹の子ゆっくり達は目の前に置かれた饅頭にかぶりつく。そして、1個あまった饅頭はおかあさんにあげることにした。 「ゆっゆっ!みんなありがとね!」 子供達の厚意に心から感謝するおかあさんゆっくり。食べ終えた子ゆっくり達は次は自分の番だ!と騒ぎ立てる。 その声を遮るように男は、 「ふふ、まぁ少しまって。実はまだお饅頭は3つ残っているんだよ!」 男の予想外の言葉に子ゆっくり達は喜ぶ。 「ほんと!?はやくちょうだい!」 「ちょうだい!ちょうだい!」 その声に応えるように男はうなづくと、 「はい、ゆっくりお食べ。」 そういって、ハンカチの裏から無造作に投げる。 べちゃっ。という音とともに床に落ちる饅頭らしき物体。慌ててそれに駆け寄る子ゆっくり達。 瞬間、空気が凍る。 床に投げ出されたのはさっきまで自分達と遊んでいた姉妹の顔。しかし、そこにあるのはどこか虚空を見つめて笑う薄っぺらい顔だけだった。 「どうしたんだい?その 残 り の お 饅 頭 を食べないのか?」 やたらお饅頭という言葉を強調する男。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛れいむのあがぢゃんんんんんんんんn!!」 最初に叫んだのはおかあさんゆっくりだった。その声をきいた瞬間再び狂乱が訪れた。 「どうじでぇ!どうじでごんなごどずるのおぉぉぉぉぉおおえろ!!」 「いや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ゆっぐりじだいいい言いいいゆっぐりざぜでえええええええ!!」 「れいむがれいむをだべぢゃっだの゛ぉぉぉぉっぉぉぉお!!!?????」 「ああそうだよ。君達が食べた。」 ゆっくりの質問に親切に応えてあげる男。 「なんでぇええええええなんでえええええええええええ!!!!」 「おうぢがえりだいよおっぉぉぉっぉぉぉおおおおおおお!!」 「今だじであげるからね!今だじであげるからね!ぉえろろっろろろrrゆぶぶぶぶぶ!?!」 「おいおい、吐くなんて勿体ないことするなよ。」 いつのまにかゴム手袋を装備した男は、自分の食べた姉妹を助けようと自ら餡子を吐き出した子ゆっくりの吐しゃ物を手ですくい、そのままその 子ゆっくりの中へ押し込んでやる。しかし、その嘔吐の瞬間を見たことによる貰いゲロ祭りが始まった。 「げぇぇぇぇぇーゆぶぶぶぶぶ!!??」 こっちが吐けば押し戻し。 「オロロロロロロロrゆべべべべべ??!!!」 あっちが吐けば押し戻し。 もはや貰いゲロから男の押し戻す反動で吐き出すため子ゆっくり達の嘔吐は止まらない。男はしっていてなお、あぁ急がし急がし。と、まるで宴会がある 日の巫女のようにつぶやきながら、実に楽しそうな顔で子ゆっくり達の間をいったりきたりする。 母ゆっくりは耐えていた。自分も早く吐き出してしまいたいと思いながらも、目の前の惨状がどうにか精神を保持させていた。 「・・・ど、どうじでごんなごとずるの!?ゆっぐりできないよ!!ゆっぐりおうぢがえる!!」 吐き出しそうな感覚をこらえながら男に怒りをぶつける母ゆっくり。 「どうしてだい?折角ここにはおいしいものがいっぱいあるし、ゆっくりできるじゃないか?」 男は手を止め、何を今更。という風な顔で聞く。 「ゆっくりできないよ!!!おいしいものもいらないよ!!!だがらおうちかえるよ!!!」 「何を言ってるんだい?さっきあんなにおいしい、おいしい、て言って食べてたじゃないか?特にその揚げゴマ団子を。」 男は母ゆっくりの傍らにあったゴマ団子の皿を指差した。それを見て、母ゆっくりは、確かにこれはおいしかったが、だけど・・・とおもって口を開こうとした瞬間、 「そりゃうまいよなぁ~、自分が命の危険を冒してまで交尾した結果できた赤ちゃんだもんなぁ~。 そりゃうまいよなぁ~、自分が一生懸命になって世話して育てた赤ちゃんだもんなぁ~。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゆ?」 男の言葉に思考が止まる。こいつはなにをいっているんだ?なにをこいつはいっているんだ? りかいできないりかいできないりかいできないりかいできないりかいできないりかいできないりかいできない りかいできないりかいできないりかいできないりかいできないりかいできないりかいできないりかいできない りかいできないりかいできないりかいできないりかいできないりかいできないりかいできないりかいできない 母ゆっくりが困惑した顔を浮かべるのを見て、やれやれといったように男がゴマ団子を取り、ちょうど食べ残された部分を指の腹で削っていく。 「ほら、これのことだよ!」 満面の笑みでその削れた部分を見せる男。 そこにあったのは2つの顔。母ゆっくりが良く知っている顔。まだまだ幼く世話のかかる子の顔。母のために始めて自分から行動を起こしてくれたこの顔。 しかし、その2つの顔はまるでこの世の地獄のの様な顔をしていた。両目は力いっぱい開かれ白目を向き、何かを堪えるように激しく食いじばられた口、 誰かに助けを求めるように大きく開かれた口。その形相はまるで阿吽力士像のようだった。 「ゆ゛!?!?!?!?!?・・・ゆげろろっろおろろろrゆぶぶうぶぶぶぶ!!!」 「おいおい、だから吐き出すなんてもったいないだろ?」 ついに母ゆっくりの精神は限界を超えた。まるで黒い滝といってもよい量の餡子を吐き出す。 しかし、即座に男によって餡子は元の位置に戻される。本来は姉妹を助けるために餡子を吐き出していたはずの子ゆっくり達は、命の危機を感じたことにより 床にぶちまけられた餡子を再び口に含んでいた。しかし、母の嘔吐と男の作ったゴマ団子の正体を知った瞬間、再び嘔吐し始めた。 「ああもう!そんなに一斉に吐くなよ!!」 ほぼ同時に子ゆっくり達が吐いたので、男はこれ以上吐かれて死なれたこまると、せっせと子ゆっくり達に餡子を戻した後、どこからか取り出した粘着テープで 子ゆっくり達の口をぴったりとくっつけた。ヴーヴーと苦しそうにうなる子ゆっくり達。 「どうじで、どうじでごんなごどずるのぉ!?れいむだぢわるいごとじてないのにぃぃぃぃ!」 脅威の精神力で母ゆっくりは持ち直し、男に抗議の体当たりをする。 「どうしてだって?それは僕が君達を愛しているからだよ!」 体当たりをひょいと避け、男は母ゆっくりを掴むと自分と目が合うように持ち上げる。 「ゆ゛?あい???」 涙とその他もろもろでぐちゃぐちゃになった顔で男に聞き返す母ゆっくり。 「そうさ!愛だよ!!君達が君達の赤ちゃんを愛すように、僕は君達を愛している!!!そう!こんなふうに!!!」ブチィっ! 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 男の大げさな愛の告白とともにゆっくりの頬が力いっぱい引きちぎられ、母ゆっくりは大声をあげた。 「じないー!れいむばあがぢゃんにごんなごとしなiうぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 母ゆっくりの言葉を遮ったのは、ちぎれた頬から挿入された男の腕だった。 「ああ・・・。その声だ!wwwwその声を聞くたびに僕は満たされる!!wwwwほら、もっとだ、もっと聞かせてくれよ!!wwww」 そういって男がゆっくりに挿入した腕に力を入れようとした瞬間。 pipipipipipi・・・・・・ 幻想郷には似つかわしくないデジタル音。それは男のズボンのポケットからするものだった。 「何だ・・・、もうこんな時間か。仕方ない。」 その音の発信源を停止させた男はつぶやく。 「ごめんなー?ゆっくり。おじさんこれから別の用事をしなきゃいけないんだ。」 そういって男は腕をゆっくりから引き抜くとゆっくりをゆっくりと下ろした。 「ハァhァ・・・おじさん・・・ハァ・・・どっがいぐの・・・?」 息もたえたえな母ゆっくり。 「そうなんだよ。おじさんこれから出かけなきゃいけないんだ。」 この男がここからいなくなる。それを聞いたゆっくりの心に希望の火がともる。 「ゆっ・・・ゆっくりでかけてきてね・・・。ゆっくりかえってこなくていいよ・・・・・・!」 「はは、それじゃ行ってくるよ。また、明日ゆっくりしようね。今夜もうおやすみしようね。」 噛み合わない会話を残しつつ、男は部屋の出口へ向かい、明かりを消した後部屋を後にした。 窓がないこの部屋の電気が消えたことで、部屋は新月の森よりも暗い真の闇の世界となった。急に真っ暗になったことで子供達はパニックを起こし、 うーうーとうなっている声が聞こえたが、おかあさんゆっくりには今はそんなことどうでも良かった。幸い、男によってつけられた傷口は致死量の餡子 が出ることもなく、このまま眠ればいくらか回復するだろう。それよりも今は疲れた・・・。あの子達もそのうちなき疲れて眠るだろう。ここは誰も入って これないゆっくりの楽園。あかちゃんが一杯死んじゃったけど、まだ5人もいるじゃないか、まだまだ大丈夫。そう考えながら母ゆっくりは眠りについた。 あとがき的ななにか あれ、おかしいな?最初は滑り台の部分を小ねた的にやって終わるはずだったのになんでこんなに長いんだ? しかも全然ピタゴラできてないよ?バカなの?しかも続くの? どうする?俺!! 名も無き作者 ゆっくりいじめ系288 ピタゴラゆっくり2?
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ゆっくり昔話オープニング曲(1番) まりさ~良い子だ内臓(わた)だしな~♪ 今も昔もかわりなく~♪ 虐待お兄さん(おに)の情けの子守唄(レクイエム)~♪ 遠い~永遠亭(やしき)の~も~の~がた~~りぃ~いぃぃぃ♪ 雪ゆっくり むかしむかし、あるところに普通のお兄さんが住んでいました。 ある冬の日お兄さんは雪山で遭難しましたがゆっくりちるのに助けてもらい命拾いしました。 別れ際にゆっくりちるのはお兄さんに言いました。 「自分に遭ったことを誰かに話したら殺す」と。 翌年の冬。お兄さんが遭難した時と同じくらい寒い日でした。 お兄さんが家で暖をとっているとドンドンと戸を叩く音が聞こえてきました。 一体誰だろう?と思い戸を開けるとそこにはあの時のゆっくりちるのが立っていました。 「ちるのはたびのとちゅうぐうぜんたどりついたんだよ。みちにまよったからひとばんとめてね!」 実はちるのはお兄さんが自分のことを他人に喋ってないか監視するために旅人の振りをして近づいたのでした。 「君あの時のちるの?よくわからないけど泊まっていく?」 ちるのの変装は一発でばれてしまいましたが、お兄さんは昔の恩もありしばらくちるのを泊めることにしました。 しかし所詮ゆっくりと人間、まったく恋仲にはなりませんでした。 やがてお兄さんにも人間の恋人ができ、ちるのは段々邪魔者扱いされるようになりました。 夏の暑い日。とうとう痺れを切らしたお兄さんはちるのを家の外に投げ捨て中から鍵をかけました。 「ゆっくりいれてね!ちるのをすてないでね!」 ちるのが泣き叫びますが戸は開きません。 暑さに弱いちるのはやがて日射病にかかりそのまま死んでしまいました。 めでたしめでたし。 ちぇんとぱちゅりー むかしむかし、あるところにとても素早いゆっくりちぇんととても遅いゆっくりぽちゅりーがいました。 ある時ちぇんはぱちゅりーに言います。 「ぱちゅりーはどんそくなんだねーわかるよー」 怒ったぱちゅりーはちぇんに決闘を申し込みます。隣の山頂まで競争し、自分が勝ったら土下座して謝れ、と。 翌日。二匹は競争しますがぱちゅりーは素早いちぇんにどんどん引き離されていきます。 「どくそうたいせいなんだねーわかるよー」 半分ほど道を進んだところでちぇんは楽勝だと思ったのか居眠りしてしまいます。 「ぐおーすぴーふぐしゅー…い、いぎゃあああ!」 突然の激痛に目を覚ますちぇん、いつのまにか野生のれみりゃに頭からかじられていました。 「もぐもぐ…あまあまおいしいどー」 「い゛だい゛よ゛お゛お゛お゛お゛!ゆ゛っ゛ぐり゛や゛め゛でね゛え゛え゛え゛え゛!」 普段だったら素早く逃げるのですがれみゃに押さえつけられているので逃げることができません。 哀れちぇんはれみゃに食べられて死んでしまいました。 「ゼハッ!ゼハッ!も、もうすこしでさんちょうだよ…」 ぱちゅりーはゆっくりとした足取りながらも着実に進み、ついに山頂までたどり着きました。 「か、かったよ。ちぇんかった。これであんしんしてみらいにかえれるね…ぐほっ!おげええええ!」 普段運動をしていないぱちゅりーに山登りは過酷過ぎました。 山頂について安心したのか今までの疲れがどっとでてしまい、 咳き込んだ拍子に大量の餡子を吐いてしまい死んでしまいました。 めでたしめでたし。 醜いれいむの子 むかしむかし、あるところにゆっくりれいむの一家が住んでいました。 しかし両親がれいむ種にもかかわらず一匹だけ金髪のれいむが混じってました。 「そのかみのけげひんないろだね、このいんばいが!」 「りぼんのないきもちわるいれいむとなんかあそんであげないよ!」 「うわーん、にゃんでみんにゃいじめるのー」 金髪のれいむはみんなと姿が違ったため虐められていました。 ある日、偶然通りがかった旅ゆっくりぱちゅりーから自分はれいむ種ではなくありす種であることを教えてもらいます。 実は金髪のれいむ(ありす)は昔今の両親から拾われた子だったのです! ありすは本当の親を探すため旅に出ました。本来なら単行本10冊分くらいの長編なのですが短編集なので省略します。 つらい旅の末ありすはついに本当の親とめぐり逢います。本当の親はまりさ種のゆっくりでした。 「おきゃーしゃーん、あいちゃかったよー!ぐべっ!」 嬉しさのあまり母まりさに飛びつくありす。ですがあっさり吹き飛ばされてしまいます。 「ありすのこはしね!おまえなんかれいむのこじゃないぜ!」 ありがちな話ですが、ありすはまりさがレイパーありすにレイプされて生まれた子でした。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 何度も何度も母親に踏みつけられ、哀れありすは死んでしまいました。 めでたしめでたし。 ゆっくり太郎(山編) むかしむかし、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。 お婆さんが洗濯をしていると山の上からどんぶらこっこ、どんぶらこっことドスまりさの死骸が流れてきました。 まんじゅうじゃけえ食えるじゃろ、と思ったお婆さんはドスまりさの死骸を家に持ち帰りました。 お爺さんがドスまりさの死骸を包丁で切り開くとなかから子ゆっくりまりさが出てきました。 「ゆっ!おじいさんはかわいいまりさにたべものをよういするんだぜ!」 子供がいないお爺さん達は子まりさにゆっくり太郎という名をつけ飼うことにしました。 それからのまりさはペットとして怠惰な暮らしをしていましたが、ある日仲良しの野良れいむが死んでいるのを見かけます。 近くにいる野良ゆっくり達の話を聞くと3丁目のお兄さんに虐殺されたそうです。まりさの怒りが天を突きました。 まりさがお兄さん退治に行くというとお婆さんはピクニックかえ?と言いきび団子を持たせてくれました。さあ冒険のはじまりです! お兄さんのところへ向かっている途中。一匹の犬に出会いました。犬はまりさの持つ団子を物欲しそうな目で見つめています。 「いぬさん!だんごをたべさせてやるからおれのけらいになるんだぜ!いっしょうばしゃうまのようにはたらくんだぜ!」 犬はあっという間にまりさの団子をたいらげ、まだ足りないのかまりさの体をかじり始めました。 「いでででで!やめるんだぜ!おれはたべものじゃないんだぜ!」 その時、どこからともなく猿がやって来たかと思うと爪でまりさの目をえぐり食べてしまいました。 「う゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛ばり゛ざの゛づぶら゛な゛お゛め゛め゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 おこぼれに預かろうと空からカラスが飛んできてまりさの体をついばみます。 「や゛べでね゛!や゛べでね゛!ばり゛ざばお゛い゛じぐな゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 哀れまりさは3匹に食べられ死んでしまいました。 まりさを食べて満足した3匹は家に帰ります。 「お、お帰り。今日は3匹そろってお帰りかい。」 待っていたのは虐殺お兄さん。実は3匹はお兄さんのペットだったのです。 今日も村は平和でした。 めでたしめでたし。 ゆっくり太郎(海編) むかしむかし、ある海岸近くでゆっくりにとりがほかのゆっくり達に虐められていました。 「みかけないゆっくりね。とかいはじゃなくてなんだかゆっくりできないわ」 「きもちわるいゆっくりはしぬんだぜ!」 「ゆっくりやめてね!ゆっくりやめてね!」 その時偶然ゆっくりれみゃが通りがかりました。ちぇんとぱちゅりーに出てきたれみりゃです。 「う~!た~べちゃうぞ~!」 「まりさはまずいからありすを…ぐぎゃあああ!」 「とかいはなわたしをたべようだなん…ひぎぃ!」 お腹が空いていたれみりゃはにとりを虐めていたゆっくり達を全て食べてしまいました。 自分のことを助けてもらったと勘違いしたにとりはれみりゃを竜宮城へと招待します。 「う~♪れみりゃはこ~まかんへいくど~♪」 れみりゃはにとりに乗って海へと潜ります。やがて竜宮城の前まで辿り着きました。 「もうすこしでりゅうぐうじょうだよ…ってうぎゃああああ!」 水に弱いれみりゃは溶けて死んでいました。腕だけが残ってにとりの体を掴んでいます。 「ゆっくりはなしてね!ゆっくりはなしてね!」 死体に掴まれているという恐怖からにとりはでたらめに暴れまわります。 やがて人食いザメの住む海域に紛れ込んでしまい、サメに食べられ死んでしまいました。 めでたしめでたし。 ゆっくりの恩返し むかしむかし、あるところに愛でお兄さんが住んでいました。 お兄さんが山を歩いていると罠にかかっているゆっくりみょんを見つけました。 「ちーんぽーちーんぽー…」 巨大な虎バサミに挟まれみょんは瀕死です。可愛そうに思ったお兄さんはみょんを罠から出してあげようとしました。 「ちーんぽ…みょぉぉぉぉぉ!」 みょんの体には罠が食い込み皮がズタズタに破れていましたが、皮肉にも罠に挟まれていたことにより餡子の流失が防がれていたのです。 罠が外れ体を圧迫するものがなくなったみょんは傷口から大量の餡子を噴出し死んでしまいました。 死んでしまったみょんは恩返しをすることができませんでした。 めでたしめでたし。 めいりん姫 むかしむかし、あるところにめいりん姫というたいそう綺麗なゆっくりがいました。 「…」 ん?どうしたんですかめいりんさん?浮かない顔して。 「…!」 どうせ自分も殺されるんだろうって?じゃあめいりんさんは死なずにハッピーエンドにしてあげますよ。 「~♪」 ある日めいりん姫は山で遭難している王子様を発見します。王子様は気絶していましたがとてもかっこいい人間でした。 王子に一目惚れしためいりん姫は気絶した王子様をふもとの山まで届けてあげました。 それからは王子様のことを思う日々。いてもたってもいられなくなっためいりん姫は魔女に相談しました。 「へっへっへ、おまえのこえをよこすんだぜ。そうすればかわりにどうたいをあげるんだぜ。」 めいりん姫は魔女と取引し胴体を手に入れました。これで王子様と結ばれることができる! めいりん姫はすぐに王子様のところに向かいました。 しかし運悪く途中で虐待お兄さんに捕まってしまいます。お兄さんはこう言いました。 「うわー胴体つきのゆっくりめいりんなんて珍しいな。これで一儲けできそうだ。」 お兄さんはめいりん姫を使って見世物小屋を開きました。お兄さんは檻の外からめいりん姫を虐めます。 夜にも珍しい胴体つきめいりんと虐待ショーにみんな大喜び! 虐待お兄さんは大儲けでとってもハッピーになりました。 めでたしめでたし。 おまけ 醜いれいむの子にでてきた旅ぱちゅりーとめいりん姫にでてきた魔女まりさがここにいました。 「ちょっとごつごうしゅぎすぎるわよ」 「ここはなにもなくてつまらないんだぜ」 二匹は今までの話の中で運良く不幸にならなかったゆっくり達です。しかしこれから人間に虐待されてしまいます。 「うそいわないでね、どこにもにんげんなんていないよ」 「まりさをいじめられるものならいじめてみろだぜー」 実は語り部は虐待お兄さんだったのです!お兄さんは素早く2匹を捕獲してしまいました。 「ゆべ!もうはなして!おうちかえるー!」 「ゆっくりやめてね!ゆっくりやめてね!」 「ヒャァ!虐待ダアアァ!」 過去作 ゆっくり転生(fuku3037.txt~fuku3039.txt) ゆっくりくえすと(fuku3068.txt) ともだち(修正)(fuku3103.txt) ANCO MAX(fuku3178.txt~fuku3179.txt) 利口なゆっくりと賢いゆっくり(fuku3386.txt) このSSに感想を付ける